実験や調査等によって得られたデータからなんらかの結論を導き出したい場合、「統計的に有意な差」なくしては議論の妥当性を主張しがたい。そこで研究者らは、分散分析のような統計的検定を試みるわけだが、検定全体の過誤率をある値以内に押さえながら、比較すべき水準間の差を評価する多重比較法は、非常に重要であるにもかかわらず、その原理と応用のポイントを詳述した書はこれまで存在しなかった。本書は、多岐にわたる多重比較法の特徴を比較・系統的に分類し、その理論的基礎と実践に際しての指針を簡潔に示した、本邦初の解説書である。特に、ノンパラメトリック多重比較(第5章)、Bonferoniの方法およびその改良版(第6章)、ステップダウン法(第7章)は一読に値すると思う。