とてもコンパクトで,値段もお手頃な演習書である。中身も統計学を学ぶ学生に対してきちんと適切な配慮がなされている。しかし,あくまで演習書であるので,テキストとして使うのは全く無意味な行為であるという注意は必要!
他の数学の分野と同じく統計学も演習がとても大切であるが,この問題集は同じテーマ(公式や定理)を扱った問題が何度もバリエーションを変えながら,繰り返し出されるので,学生は否が応でも統計学の本質が自然と定着することだろう。
また,応用問題では,現実的テーマを扱った多様な問題が出されるので,統計学の現実的応用が身に付くことにもなる。そして,身近な自然・社会現象に対して,自然に統計学的思考で考える力が付いている自分に気づくこと間違いない。
特に社会科学系を専攻する文系の学生にお薦めしたい。この本一冊できれば,経済学部における統計学の素養は十分なほど身に付いている。言い換えれば,この本1冊で統計学演習書は十分と言うことを意味しているのだ。ただ,興味があれば進んで,上級コースの書物に挑戦したほうがいいというのは,言うまでもないことだが。