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22 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
近代統計学の誕生の歴史がわかる,
By ヴィト原石 " " (茨城県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 統計学を拓いた異才たち―経験則から科学へ進展した一世紀 (単行本)
この本は近代統計学の流れを分かりやすく示してくれる.数式はひとつも出てこないが、統計学をまったく知らないと興味は少し減るかもしれない.しかし、それでも統計学が社会にかかわり、影響を与えた歴史がわかるので、統計学アレルギーの人にもおすすめと思う.全29章の間にピアソンとフィッシャーから始まり、ブリス、ベイズ、ネイマン、ゴセット、コルモゴロフ、デミング、スネデカー、テューキー、コックス、など多数の著名な統計学者が登場する.全29章のうち第1章から19章くらいまでがとくに面白い.フィッシャーはピアソンの冷遇と圧力から逃れるためにロザムステッド農業試験場に就職させたが、これが彼に人生最良の時を与え実験計画法が生まれた.ネイマンは憧れのルベーグに会ったとき冷たくあしらわれ、これを反面教師として学生にとても親切になったという.インドの富裕な学者マハラノビスは自分の土地にインド統計研究所を建て、そこから世界の統計学者ラオが育った.数学、物理学、生物学、哲学に偉大な足跡を残したソ連の天才コルモゴロフは、ローマ教皇史に詳しく、講義でプーシキンの詩をそらんじた.などなどエピソードが豊富に紹介されている.こういう話を交えてもらえたら、統計学の講義ももう少し身近になったかもしれない.
35 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
統計学の歴史と人間模様,
By shorebird (横浜市青葉区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 統計学を拓いた異才たち―経験則から科学へ進展した一世紀 (単行本)
統計学の歴史とその中の人間模様を描いた本.統計学者の手によるものでその筋ではかなり有名な本らしい.統計の初心者向けの本はいろいろあるが,その背後の考え方について解説されたものはそれほど多くはないと思われる.特にフィッシャー=ネイマンの論争は初学者には今ひとつよくわからない部分である.本書はこの辺の裏の事情がよくわかる.私自身は進化学や集団遺伝学から統計に興味を持っているので心情的にはフィッシャーびいきなのだが,本書は個人的なつながりもありネイマンシンパのようである.確かに何とかより応用範囲を広げようとするネイマンの努力に対しフィッシャーはややかたくなになりすぎている部分も見えるが,しかし真実にはフィッシャーが近いのではないかという気分も抜けきれない.結局一回限りの確率とは何か,そしてそれが人の進化的な認知制約から概念把握が難しい部分をどう説明しようとするのかが論争の本質かなあというのが素朴な感想である.いずれにせよ描かれている人間模様は劇的で飽きさせない.ネイマンがフランス語で講演し,聴衆にフィッシャーがいるので厳しいつっこみを覚悟したが,フランス語のできないフィッシャーはつっこめなかったというような逸話も満載である. また歴史的な発展が概観できるもの本書の醍醐味の一つ.統計がダーウィンによる生物学から勃興し,実験計画から小標本,正規分布統計が精密化し,そこから工程管理,経済統計がわかれていった様子,コンピュータの発達とともに統計学の変化していく様子が描かれている. 全般的には特に統計学勃興から第二次大戦前の部分は大変面白い.それに対して戦後の部分は,一つには統計学が発達して専門的に分化していったこと,そして存命の著者の個人的な知り合いが多く登場することにより批判的な著述が無く,やや散漫でちょっと残念である.
21 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
数理統計学に、こんなにおもしろい側面があったのか,
By tomo1943 (茨城県つくば市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 統計学を拓いた異才たち―経験則から科学へ進展した一世紀 (単行本)
今につながる数理統計学の流れを、それらを拓いた学者を前面に出して紹介する好著。時代としては主に19世紀末からほぼ100年余なので身近な題材が多い。なぜ、この手の本が今まで無かったのか、不思議なほどに、あって然るべき本。現代統計学を築くフィッシャーの話題から始まって、分布の話、ステューデントのt検定、実験計画法の完成、ベイズ理論、確率過程、探索的データ解析、統計的品質管理、医療の解析等々、現代統計の主要な流れを、それを築き発展を担った学者のエピソードをふんだんに紹介しながら数式なしでたどって行く。フィッシャーとピアソンの確執も興味深く読める。数理統計を実務の勉強として苦行してきた人は、この本を読むと、数理統計学にこんなにおもしろい側面があったのか、と改めてうれしくなるに違いない。 著者が、製薬会社という応用統計の現場で長く働いてきた学者だけに、フィッシャーの分散分析が農業の場から生まれたこと、その後も、医療や工場などで社会に役立つ学問として発展してきたとする立場は説得的で好もしく読める。しかし、流れの中でひとつ、多変量解析の流れがわずかしかおもてに現れないのはなぜだろう。
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