類書はない。社会実情に興味のある方には必携である。
欲を言えば切りがない。しかし、本書は相関図に特化することにより、多様な「気づき」を与えてくれる。相関図は変数間の関係を第一次接近としてみる場合に不可欠であり、仮説創造のタネとなる。しかし、それはあくまでもタネであり、通常は因果関係を考え、何らかの理論的関係と結びつけていくことになる。したがって、通常はタネは表に出ず、その果実が表に結果として発表される。そういった意味では、本書は仕掛品在庫あるいは中間生産物のオンパレードである。そしてそれが故に新しい仮説が連想ゲームのように沸いてくる興奮を味わえる。一枚一枚の相関図が社会実情ミステリーとなると言ったら言い過ぎかもしれないが、知的パズルの楽しみがある。
著者のホームページに情報のほとんどはあるからインターネットで済まして、印刷したものはいらないかと言えば、そんなことはない。小生はKindleを愛用しているが、やはりヒマな時に相関図を観賞しながら、その奥のに隠された社会のカラクリに思いをはせるには印刷物の方が便利である。