ニッポンの所得税の仕組を、給与所得者の立場から概観。毎月支給される給与からはじまり、課税所得、年末調整、確定申告の仕組みや、サラリーマンの税金がどのように捕捉され徴集されているのかが説明される。専門家らしく説明は明快な一方、構成は身近でわかりやすいという好著。サラリーマン生活20年のワタクシも、恥ずかしながら初めて知ることもいくつかあった。
このように有用な本だが、時折出てくる”羊たち”(サラリーマンのこと)との呼びかけが気に障る。「意識を変えてほしいのであえて使った」との著者の言及があったが、それであればむしろ、エピローグでチョットだけ触れていた直接税と間接税の在り方や、国際金融課税の課題など、税についての新しい見方を議論してもらったほうが、なお一層考えが深まり意識も変わるのでは?内容がいいだけに、かえって馬鹿にされたような、不快な読後感がどうしても残った。大半の読者であろうサラリーマンの感想は如何?