タイトルも裏表紙の「本書のテーマ」 も「モチベーション」 と書いてあるのだが、「特訓」 がテーマとしか思えない。特訓=理不尽に厳しいシゴキ、と言う悪いイメージのために、一段引っ込めたのではないか。
特訓は「エネルギーの一点投下、短期集中、一気呵成に力をつける」 と言う。2章では「ゾーン」 の集中力を「特訓が研ぎ澄ます」 としている。3・4章では「修業」 を「日本人の特訓の知恵」 とし、修業は「心の防弾チョッキ」 を作る「心の加圧トレーニング」 である、という喩えが面白い。「ドラゴンボール」 を含む豊富な例をあげている。5章では「『やる気』 が切れない特訓モードのつくり方」 10項目で、「没入できる空間=道場の確保」 や「質より量、ハードルを下げる、スモールステップで階段を上がる、実力の70〜80%」 などをあげている。
「現代人は修業感覚が低下したために、保留に耐える知性・先が読める力・感情コントロールが減退している。また快適社会を追求した結果、不合理を乗り越えるメンタリティが低下している」 という分析は鋭いと思った。