長年複数のタイトルを保持し、将棋界で結果を出し続ける
羽生善治名人が、その”結果を出し続けるための秘訣”を
平易に語った本です。将棋界以外の著名人との対談を精力的に
こなされていることもあり、将棋について多くを語りながら、
他のジャンルやビジネスでも応用と再現が可能なすぐれた内容となっています。
今年7月の講演会を元に、大幅加筆されたとのこと。
「講演会の書き起こし本」にありがちな冗長さはなく、
1項目2p〜5pの分量で約70個ほどのトピックにテンポよく
まとめられていてとても読みやすかったです。
短くテンポがよいがゆえに、読者の姿勢次第では、
内容が薄いと誤解してしまう向きもあるかもしれません。
個人的には、「決断のプロセス」としての直感・読み・大局観の
お話をもっと聞いてみたいと思いました。
読後感をたとえて言えば、
一手30秒70数手の羽生名人の軽妙な早指し将棋を見ている感覚。
その中に「う〜ん深いなあこの一手」と
思わず線を引きたくなる奥深さを兼ね備えた一冊でした。