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アン・タイラーはいつもありふれた日常生活を丹念に描いていくのですが、ズン!と心臓に突き刺さるような瞬間を切り取るのがとてもうまい作家です。
そして持ち前のユーモアで、「人生っていろいろあるけど、やっぱり素晴らしい」的なところにもっていってくれます。
こちらの作品も、夫婦とは、家族とは、とアン・タイラーらしい題材です。
戦中から現代まで、一組のカップルが出会って家庭をつくり老いてゆくまでの時代が描かれています。
一章ごとに数年の時間が経ってゆくのですが、それぞれ別の家族の視点から描かれているのもおもしろい。
ひとつの出来事が別の角度から語られると、全く異なる様相を呈し、家族の歴史に深みを加えてゆきます。
アメリカの移りゆく時代背景が、それぞれの家族の生き方・考え方にも反映されている点も興味深いものでした。
とは言っても、決して大袈裟な大河ドラマばりの展開ではなく、登場人物は好感が持て、感情移入もしやすい人たちばかり。
読んでいて思わず吹き出してしまったり、号泣してしまったり・・・決して人前では読めません。
どんどん先を読み進めたくなるのに、読み終えるのがもったいなく感じられる一冊。
様々なことを考えさせてくれる一冊でした。
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