本書はまず美しくて、落ち着くリビングとか、木目調の内装のカフェとかに置いてあったらぴったりの本。基本的に一ページに写真と散文詩ひとつずつの構成なので、こういった場所で、モノの2、3分とあるときにでパラパラと気になった箇所を読んで、本書のメッセージとのセレンディピティを楽しむ情景が容易に想像できる。
ただ、こういった散文詩は基本的に主観の塊のわけで、そのメッセージを発している著者がどのような人であるのかのイメージが持てないと、人それぞれの受け取り方に違いが出てくるだろう。だから、少し著者のことも紹介しよう。
洋子さんは全員に別け隔てなく接する。間違っていると思ったら、それが大企業の社長であれ、学者であれ、歯に衣着せぬダメ出しをする。その一方で、モザンビークで貧困のために死にゆく子どものために働いている日本人の無名の女の子に対して全力で支援をする。そんな洋子さんだから、本書の次の言葉が出てきたときに、洋子さんの姿がありありと目に浮かぶ。
家柄とかお金とか肩書きなんか絶対に信じちゃいけない
who you areだけwhat you haveは全然あてにならない
洋子さんの夫(数学者)も本当に気持ちのいい人で、肩の力の抜け方がとんでもない。趣味嗜好も専門性も全く違っている洋子さんと彼なのだけれど、二人の周りにはいつも心地よい風が流れていて、一緒にいるとすごく安らかな気分になれる。結婚についての本書のメッセージを読むと、二人を真っ先に思い浮かべる。
結婚する前に想像してみて
相手がもし明日事故にあって動けなくなったとしたら
仕事もなくなってあなたがひとりで病院代も生活費も稼がないといけないとしたら
その上動けなくて精神的にダメージをうけている相手がひどい言葉を投げかけてあなたを傷つけるとしたら
それでもあなたは相手の額に手をおいて だいじょうぶ ずっとそばにいるから って言える?
それが結婚するってことだよ
手元に置いておいて、疲れたときに読むと、元気になれる一冊。家族のある皆さんはリビングに置いておいて喧嘩した時に読んで、カフェの経営者さんはお店に置いておいて喧嘩しているカップルや、悲しそうな顔をしている人にオススメしてみてほしい。