「伝統的教育観をよきものとする立場」対「それを批判する立場として現出した進歩主義的教育観」という対立軸にたった教育論争を不毛と論じる.異なるイデオロギーに立脚する論争は妥協点を見出せないことは人間社会の様々な場面で立証されている.デューイは,このような対立をよしとしない.教育に関わる者にとってもっとも大事なのは,その立脚する哲学だということを指摘する.子供自身の経験を,子供自身の普遍的な哲学に転化する困難と重要性を教育の根源性と関わらせながら論じる.原著は難解であるが,この本が読みやすいのは,訳者の優れた技量によるものである.数日あれば読了できるので,一読することを勧める.