経済物理学はカオスやフラクタルといった物理学の手法と概念を利用して、データーに基づいて実証的に現実の経済現象に立ち向かう、まったく新しい科学の分野である。まだ誕生して10年にも満たないほどの若い研究分野だがこれまでの経済学の常識を覆す発見や、斬新なアイディアが次から次へと報告されている。複雑で不安定なお金の世界にも、ものの世界と同じような自然法則が成立している。エコノフィジックスという手法に基づきこれから進むべき未来のお金の世界を探求する。
著者は1958年千葉県生まれ。85年名古屋大学大学院理学研究科修了。理学博士。神戸大学理学部地球科学科助手・助教授を経て、1993年東北大学大学院情報科学研究科教授に就任。1997年より(株)ソニーコンピューターサイエンス研究所シニアリサーチャー。専門は、フラクタル理論、統計物理学、エコノフィジックス。著書に『フラクタル』(朝倉書店)、『経済・情報・生命の臨界ゆらぎ』(共著、ダイヤモンド社)、『エコノフィジックス-市場に潜む物理法則』(共著、日本経済新聞社)などがある。
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34 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0
経済物理学を知りたい、と言う方にはお勧め…できない,
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レビュー対象商品: 経済物理学の発見 (光文社新書) (新書)
従来の経済学ではできなかった「現実をありのままに記述できる」経済学が経済物理学ということで徐々に注目を集めている。本書はその入門書として最適…では全然ない残念ながら。 経済物理学という学問には可能性を感じるが、結局取り扱う人間が愚かであれば何の役にも立たないということが本書を読んで分かります。 著者はインフレに対して否定的で「一度起こりだすと止めることは非常に困難」、「国が崩壊してしまうこともある」、「通貨価値が下落するということは、誠実に生きてきた人を裏切る」と述べているが、その舌の根も乾かぬうちに『土地の相続税は低く、金融商品の相続税は高くすべきだ』という無茶苦茶な提言をしているのに閉口してしまい読む気が失せてしまいました。 バブル期に日本は実質的に成長しておらず、地価の上昇が物価の上昇(インフレ)を招いていたということを本書の中で指摘しているのにもかかわらずです。 もし相続税を土地には低く、株や預貯金には高くすれば、富裕層でなくとも土地を買いたいという衝動に駆られるのではないでしょうか。 市場に一気に資金が流入すれば投機を生みバブルが生まれるということをこの著者は知らないのでしょうか。 全体的には、外国為替市場について述べているだけならよかったのですが、後半につれて上記のようなそれはどうなんだろという主張が増えてきてまとまりがなくなる構成に仕上がっているのも残念。 途中で読む気が失せてしまったのでなんともいえませんが^ ^ どうしても読みたい人は3章まで読んでそれ以降は読まないほうがいいです、タイトルと関係ありませんから。 一言で言えばブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質の著者であるタレブに思いっきり馬鹿にされるタイプの本だということです。 また経済物理学の概念を知りたいという方はマンデルブロの禁断の市場 フラクタルでみるリスクとリターンをお勧めします。 最後にですが経済物理学についてまともな本が増えることを期待します。
22 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
啓蒙書として最適だが・・・?,
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レビュー対象商品: 経済物理学の発見 (光文社新書) (新書)
近年、特に市場分析の方法論として注目が高まっている経済物理学の啓蒙書。経済学や物理学の基礎知識が殆どなくても理解できるように、親切に大変読みやすくまとめられています。しかし、経済理論をよく知らない者には何が新しいのかがわからず、多少経済理論の知識がある者には若干もの足りない感も否めません。様々な経済現象がフラクタル現象として捉えられ、統計的に正規分布ではなく、ベキ分布を示すという点が一つの中心論点ですが、それが単に現象として見られるということに留まらず、経済理論をどのように書き換えることになるのかなどの点について、具体的に言及してあればより面白い読み物になったのではないかと思われます。 また、6・7章の通貨に関する記述内容は経済物理学的アプローチからのみ得られる含意というわけでもなく、若干冗長な印象を受けました。
29 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
経済活動理解への新しい切り口,
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レビュー対象商品: 経済物理学の発見 (光文社新書) (新書)
カオス・フラクタル・くりこみなど物理学における研究成果を経済学に応用する新しい学際的分野の入門書。基本的な物理学および経済学用語の解説も丁寧で、予備知識が無くても読みやすい内容となっている。より専門的な内容を求める読者は、少し古いが(2001年出版)高安氏が共著の「エコノフィジックスー市場に潜む物理法則」が適当か。 本書は他でも指摘されているとおり、この研究分野を網羅的に扱っていて、内容は多岐にわたる。外国為替取引の市場特性や日本の税制あるいは企業の為替リスクへの提言など、従来の経済学とは異なる視点から論じている。税制の提言について著者の視点は斬新。ただしナイーブで同意できないものの面白い。 個人的には第3章・4章で扱う金融市場の特性に関する研究に興味があり、本書を購入した。市場が暴騰・暴落する仕組み、価格変動が正規分布しないなどの分析は資産運用を考える場合に有効だと思う。本書でも紹介されているMandelbrotが最近出版した"The (mis)Behavior of Markets"はこのテーマに絞って論じている。
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