この本は、経済学で重要な役割を果たす微分積分と確率に焦点を絞って、易しく書かれた経済数学の本である。
この2つの分野に絞ったことも驚きであるが、さらに驚くのは簡単に読み進めることができることである。普通、入門書では話を易しくするために、冗長な解説になり、本文が長くなる傾向があるが、この本は200ページそこそこしかない。文章の簡単さではなく、式自体の解釈を簡単にしているのである。このため、たいへん記憶に残りやすい。
つまりは、本質的に易しく読者が理解できるようにしてくれているのである。
初学者には、そもそもなぜ経済学で微分や積分、確率を使うかがわからないし、その記述もここには書かれていないことから、この本は一度経済学を志したが、数学によってつまずいてしまった人が使用するのがいいと思われる。
また、演習問題がないので、この本を一通り理解したら、別の本にあたるのがいいであろう。
しかし、以上を考えても、星5つの本であり、たいへんいい本である。