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経済政策を歴史に学ぶ [ソフトバンク新書]
 
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経済政策を歴史に学ぶ [ソフトバンク新書] [新書]

田中 秀臣
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

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経済政策を歴史に学ぶ
「マクロ経済の基本書」をイメージさせるタイトルとは裏腹に、本書の主題は「格差問題の解消」という今日的なテーマだ。著者は、経済思想史を専門とする経済学者であり、長期経済停滞を脱するには、政府が市場に介入して積極的な金融・財政政策を実行すべしとするリフレ派(リフレーション=通貨の再膨張)の論客でもある。

小泉政策に象徴される構造改革主義、すなわち経済の非効率部分を淘汰し、市場の自然治癒力に頼るという方策では、格差問題を解決できないと主張。真の原因は停滞の長期化がもたらした社会の不安感であると言い、解決のヒントは過去の恐慌や経済思想家たちの言動に隠れていると説く。同時に今日の経済学者やエコノミストの主張の問題点を厳しく糾弾する。


(日経ビジネス 2006/11/13 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)

内容紹介

経済思想史の観点から、展望を切り開く!
ますます加熱する経済政策論争に対して、石橋湛山、西部邁、クルーグマン、バーナンキなどの具体的な論客たちの思想を踏まえながら、日本を迷走させない指針を示すポレミカルな一冊。

登録情報

  • 新書: 224ページ
  • 出版社: ソフトバンククリエイティブ (2006/8/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4797336552
  • ISBN-13: 978-4797336559
  • 発売日: 2006/8/17
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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形式:新書
 この本の醍醐味は、第4章以下に出てくる構造改革論者や「期待の経済学」の論者について彼等の経済学的所見を越えその心性や思想的背景にまで切り込んでいっている点でしょう。例えば、構造改革論者の方では、昭和恐慌時に活躍した笠信太郎と現代の西部邁とを比較している点。両者ともにシュペングラーの文化相対主義を自明の理とし「個人の利害」を超えた高倫理を持つ「テクノクラート」による統治を夢見るところが共通するとします。細かい論証をすっ飛ばし、「思想の飛翔」を思う存分可能にしてしまうところに、彼等がありもしない「真のエリート」に執着し、また残念ながら大衆的支持をある程度勝ち得る原因があると言えるでしょう。
 これに対し著者が支持する「期待の経済学」の方では、終章において森嶋通夫の「東北アジア共同体」構想を批判する際、石橋湛山の「小日本主義」が登場します。現状の行き詰まりの解消に向けて、これまた現実味のない高い倫理性を帯びた共同体に救いを求める点を批判し、外国と干渉しあわず日本のことは日本の中で解決するのが責任ある姿勢として「小日本主義」は今日も妥当すると説いています。
 70年前の論考を縦横に引用し現代の状況に当てはめてゆく点、「歴史に学ぶ」タイトルに偽りなしです。が、このような高水準の内容であれば、新書では紙幅が狭すぎたのではないかという気がしなくもないのです。
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15 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ITOK
形式:新書
今日話題になっている「格差社会」(“ニート”等)を皮切りに小泉政権の経済政策の評価,日本のエコノミストの現状を通り抜け,本書の主要である「構造改革主義」(「構造改革」と区別する為の著者による命名。不適切な政策割り当てに基づく経済政策の意。)が新しい問題ではなく過去に訪ねられる問題であることが紹介されていきます。

それはさながら,「テーマパークのアトラクション」のようであり,あるいは「経済学地獄めぐり」のようであります。

その中身はといえば

構造改革主義(第4章 日本経済学の失敗):

 野口悠紀雄,笠信太郎,三木清,(シュペングラー),都留重人,

 (小野善康,吉川弘),高田保馬,西部邁,村上泰亮

期待(リフレ)の経済学(第5章 期待の経済学を求めて):

 クヌート・ヴィクセル,ディビッド・レイドラー,ミルトン・フリードマン,

 J・A・シュンペーター,鬼頭仁三郎,(ジョン・メイナード・ケインズ),

 ジョン・ヒックス,高橋亀吉,岡田靖,岩田規久男,安達誠司

レジーム転換の経済学(第6章 レジーム転換の経済学の登場):

 ポール・クルーグマン,ベン・バーナンキ,小宮隆太郎,ポール・ボルカー,

 渡辺努,岩村充,与謝野馨,竹中平蔵,高橋洋一

と盛り沢山であり,加えて,“終わりに代えて-最強の構造改革主義<東北アジア共同体>よりもリフレによる対抗ナショナリズムの緩和へ-”では,

 「構造改革主義」として森嶋通夫,それに対する小宮隆太郎の批判,「期待の経済学」「リフレの経済学」として石橋湛山が紹介されます。

これらが,経済思想史を専門とする作者の手によってコンパクトにまとめられており,読者は作者に誘導されるままに,ただこの新書を読むだけでその足跡を辿ることが出来ます。

また,詳しく知りたい場合には,巻末にブックリストが用意されています。

今日までそして明日からの経済政策を見る・考える上で本書は参考になるでしょう。
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13 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
 1〜2章は、結果的に経済運営を成功裏に導いた小泉政権の経済政策の検証である。小泉政権では、不良債権処理など市場経済システムに親和的な政策運営を行ったことが、経済の潜在的な力を高め、社会の活力を回復させた、というのが世間一般の認識に近いものだろう。しかし、現実には、むしろリフレ的な政策が、景気回復を導いた可能性が高い。この事実は、松方財政に対する正しい検証を行わなかったことが、結果的に昭和恐慌時の間違った経済運営を招いた、とする安達誠司氏の指摘を踏まえると、このままにしておくべきものとも言えないだろう。本書では、スティグリッツの議論を援用しながら、民営化、自由化などは、それ自体を目的とみなすべきではなく、あくまで手段とみなすべきであり、最重要な課題は、失業を防ぎ完全雇用を目指す政策であり、不況であれば、政府が適切なマクロ経済政策で対応することであると指摘する。

 しかし、この本の本当に凄い所は4章以降にあり、ここでは小泉改革の持つ「構造改革主義」的な思想の源流に遡り、笠信太郎、三木清、都留重人、森嶋通夫、高田保馬、西部邁、村上泰亮等の思想を「構造改革主義」という一点から見事に格付けられる。この「構造改革主義」の最終的な眼目は、費用の逓減が「見込める」産業を中心に、国家(官僚)が主導して、産業構造を「再編成」することにある。しかし、市場の調整メカニズムによらず、国家が主導してそのような産業構造の大転換を図ることは果たして可能なのか、或いは失敗の責任は誰がとるのか、非常な疑問を感じるところであろう。  

 最後に、ヴィクセルに遡る「期待の経済学」を概観し、レジーム転換により経済主体の期待を変えることの重要性を指摘する。また、石橋湛山の「小日本国主義」を媒介としたリフレと平和の結びつきについて論じられる。
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