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経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)
 
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経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS) [新書]

芹沢 一也 , 荻上 チキ , 飯田 泰之 , 岡田 靖 , 赤木 智弘 , 湯浅 誠
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社からのコメント

●格差・貧困に効く経済学
本書の第一のメッセージは、
「経済成長が必要である」
につきます。これだけが本書のメッセージなのです。連続対談の依頼をいただいたとき、経済学者として、いまもっとも伝える必要がある、やや大仰にいえば使命感を感じたのがこの主張です。本書でとりあつかった格差と貧困の問題に一番有効なのは長期的には経済成長、短期的には景気対策です。現在起きている問題にとどまらず、システムとしてのセーフティネット確立のためにも経済成長が必要でしょう。(あとがきより)

●ケインズとハイエク、フリードマンの違い
●経済成長で格差・貧困を吹き飛ばす
●儲けはインチキか?
●年2~2・5%成長は当たり前
●景気がよければ、ダメ企業は淘汰される
●エリート官僚の堕落という幻想
●不人気な成長とインフレ
●日本人の生涯所得を決める最大の要因は?
●なぜ「溜め」は失われたのか?
●正規と非正規が連帯するためには
●格差を解消する累進課税強化
●若者に冷たいメディアと政治

【目次】
1章 高度成長とは何だったのか----戦後日本経済思想の源流と足枷
岡田靖×飯田泰之

2章 戦争よりバブル、希望はインフレ
赤木智弘×飯田泰之(司会・芹沢一也)

3章 何が貧困を救うのか
湯浅誠×飯田泰之(司会・荻上チキ) 

【編著者紹介】
芹沢一也(せりざわかずや)
1968年東京生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。SYNODOS代表。慶應義塾大学非常勤講師。専門は近代日本思想史、現代社会論。

荻上チキ(おぎうえちき)
1981年兵庫県生まれ。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。批評家、「トラカレ!」主宰。テクスト論、メディア論が専門。

飯田泰之(いいだやすゆき)
1975年東京生まれ。エコノミスト。駒澤大学経済学部准教授。専門は経済政策、マクロ経済学。

岡田靖(おかだやすし)
1955年東京生まれ。内閣府経済社会総合研究所主任研究官。大和総研、クレディスイスファーストボストン(現クレディスイス証券)、学習院大学経済学部特別客員教授を経て、現職。

赤木智弘(あかぎともひろ)
1975年栃木県生まれ。フリーライター。ウェブサイト『深夜のシマネコ』運営。著書に『若者を見殺しにする国』(双風舎)、『「当たり前」をひっぱたく』(河出書房新社)

湯浅誠(ゆあさまこと)
1969年東京生まれ。自立生活サポートセンター・もやい事務局長。『反貧困----「すべり台社会」からの脱出』(岩波新書)で大佛次郎論壇賞を受賞。08年末から09年年始にかけて、日比谷公園「年越し派遣村」の運営を行う。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

芹沢 一也
1968年東京生まれ。SYNODOS代表。慶應義塾大学非常勤講師。専門は近代日本思想史、現代社会論

荻上 チキ
1981年兵庫県生まれ。東京大学情報学環修士課程修了。批評家、「トラカレ!」主宰。テクスト論、メディア論が専門

飯田 泰之
1975年東京生まれ。エコノミスト、駒澤大学経済学部准教授。専門は経済政策、マクロ経済学

岡田 靖
1955年東京生まれ。内閣府経済社会総合研究所主任研究官。大和総研、クレディスイスファーストボストン(現クレディスイス証券)、学習院大学経済学部特別客員教授を経て、現職

赤木 智弘
1975年栃木県生まれ。フリーライター。ウェブサイト『深夜のシマネコ』運営(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 294ページ
  • 出版社: 光文社 (2009/6/25)
  • ISBN-10: 4334975747
  • ISBN-13: 978-4334975746
  • 発売日: 2009/6/25
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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45 人中、38人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Moral Minority VINE™ メンバー
形式:新書
昨今の新自由主義や格差、貧困、不平等の問題をめぐって、資本主義や、経済成長主義が批判される事も多くなってきた。本書の書名はそれに対して経済成長の必要性を認める事を前提したものに見える。実際その通りである。後書きにも本書のメッセージは一貫して経済成長が必要である事とされている。だが同事にこの書名は経済成長が必要という事を手放しに肯定するのでも押し付けるのでもなく、しばしば見られる疑問や批判に誠実に説得的に答えようとする姿勢が見える。実際その通りである。本書は経済成長が結果的に底辺に追いやられている人を救う事にもなる、いやそれは誰にとっても有益なものになりうるという事を主張する。

私は正直この著者の顔ぶれで経済成長の必要を説くような書名に初めいくらかの疑問を持った。なんとなく平等主義的な左派は経済成長や競争を批判する傾向が強いイメージがあったし経済成長が必要なんだよと頑固に説き競争に動員するような人はむしろ反平等主義的な人が多いようなイメージがあったからだ。しかし本書の実態はそんな偏見からの違和感とは無縁であり、一貫して平等主義的な色彩、機能する分配への意志が見られ、一部で話題のベーシックインカムにも極めて好意的な評価がされる。本書の主張は経済成長が必要なので皆バンバン働いて競争しろといった新自由主義的なものではなく、経済成長の恩恵は確かなものであり、経済成長は必要だが同時に分配や平等も欠かせない。両方やりましょう、という話である。

このような主張は新自由主義とそれに対抗する立場のいいとこ取りないし、どっちつかずに見えるかもしれない。著者の内の中心人物である経済学者、飯田氏はそれに関連して新自由主義、ハイエク、フリードマンといった経済学の立場と、ケインズのような立場を安易に対立するものとして二項対立的に片方の肩だけを持つ事は賢明ではないと言う。現在論壇の多くで交わされる経済的な議論は純粋に経済学的な議論ではなく、経済理論的な、もっと言えばイデオロギー的な対立に終始しており、この状況では経済学は本領を発揮する事が出来ないらしい。というのも飯田氏によれば経済学は価値判断や思想よりは、目的達成のための手段の理論、ツールとしての役割に特化した学問であるからだそうだ。著者によれば新自由主義的なハイエクと社民主義的なケインズは対立も矛盾もしていない。ただ景気が悪く社会が風邪をひいてる時は無理に競争させず薬を飲んで(ケインズ)調子がいい時はバンバン競争して成長しよう(ハイエク)という状況に応じた使い分けをする事が賢明なのだ。…といった事が語られる。だから飯田氏は今はニューケインジアンだが景気などが変わればコロリと立場を変えうるとも堂々と述べる。このような飯田氏の主張は全面的に正しいとは言えないのかもしれないが、兎にも角にもケインズとハイエク・フリードマンは真っ向から対立し相成りえないというイメージに囚われている人には本書はなかなか刺激的で新しい観点を与えるものになるだろうし、分配問題、平等問題について考える際にも有意義な本となるだろう。

尚、当サイトの著者の並べ方では芹沢氏が中心ないし全員が同じくらいに活躍する対談本かのような誤解を与える可能性があるが、実際は飯田氏が芹沢氏、岡田氏、赤木氏、湯浅氏と順々に対談し最後にチキ氏を交えてまとめるという、飯田氏中心の対談本と言うべき内容である。
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45 人中、36人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 徳保隆夫 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
経済学者の飯田泰之さんが行った、エコノミストの岡田靖さん、評論家の赤木智弘さん、活動家の湯浅誠さんとの対談3本を中核とし、芹沢一也さん、荻上チキさんとの対談・鼎談を前後に配して序論とまとめとした「思考技術としての経済学」入門です。

本書は飯田さんが「経済成長の必要性を説く」ことを中軸に据えていますが、師匠筋の岡田さんは元より同意見ですが、赤木さん、湯浅さんも経済成長の大切さをすんなり認めてしまう。そして平等、貧困、社会運動と政府、報道のあり方などへ話題は広がり、政策の優先順位やバランスが焦点となります。スッキリした結論は出ず、取り留めのない本のようにも見えます。しかし飯田さんのスタンスには一貫性があり、それが本書の真のテーマを示していると私は思いました。

【経済学は問題・状況を分析し論者に判断材料を提供する学問なので、政策を決める価値判断とは分離できる。したがって、飯田さん個人とは価値観を異にする赤木さんや湯浅さんにも「思考技術としての経済学」は有用だ。】

論壇に登場する経済学者がみな分析と価値判断をセットで提示するため、論壇で目立つ経済学者の価値判断への反発が経済学自体への忌避感となる現状に一石を投じ、経済学のツールとしての有用性を啓蒙する意欲的な1冊です。個々の論者の価値判断への賛否はいったん措いて、落ち着いて読んでください。

対談録ならではの読みやすさ、面白さでスイスイ進むのが本書の美点です。ただ、各章のポイントまとめや議論の図解などはありません。また説明なしにケインズ、ハイエク、フリードマンといった人名が登場して、彼らの基本的な主張を読者が知っていることを前提に話が進むのも不親切です。初心者の方には同著者の「脱貧困の経済学」を勧めます。
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20 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
漸くまともな経済政策議論のスタート地点に辿り着ける、そのような所感を抱いた。著者の功績は非常に大きい。結論は単純で「経済成長が必要」ということであり、何故これまでの論者がその明白な事実を指摘してこなかったのかが寧ろ不思議だ。いつ誰が言ってくれるのか待ちくたびれていた!

妄想に近い仮想敵(例:市場原理主義や新自由主義)を拵え上げ嬉々として総力戦に突入している人々は、その不毛さに早く気づいてくれないものか。問題は、己自身の実態と世界情勢から眼を背ける我々自身にある。事実、太平洋戦争開戦時もそうだったではないか。

○日本は理論闘争が多過ぎ。プラクティカルな工学的発想や実証研究こそ必要
○90年代はメディアも社会党も労組も、政治的閉塞を打破する規制緩和と市場原理を支持していた
○好景気はダメな企業を人手不足で淘汰する
○日本の税制は正社員を優遇し過ぎ、特に退職金を盛大に優遇するから労働者が安定職にしがみつく
○日本のメディアは不況を喜び過ぎ、アメリカの大不況で異様に興奮している
○「反貧困」の湯浅氏は実は増税論者、中間層の増税アレルギーを恐れて黙っている
○日本の専門家には「自分の頭で考えて問題を解決する能力・経験」が乏しい
○実際に格差が開いている若年層の大半は、なぜか格差拡大を悪いと思っていない

これだけ箇条書きにしても、本書の功績が大きいのが分かる。これまでの経済論戦にいかに無駄が多かったことか。。

70年代のイギリスも90年代初頭の北欧も、当時は見る影もなく沈滞していたのだ。現実を直視して、目前の課題から逃げずに正面から取り組めば、必ずや日本経済は成長軌道に復帰できる。それを決して忘れてはならない。
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