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経済学的思考のセンス―お金がない人を助けるには (中公新書)
 
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経済学的思考のセンス―お金がない人を助けるには (中公新書) [新書]

大竹 文雄
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (29件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

「お金がない人を助けるとき、どうやって助けるのですか?」小学5年生からの問いかけに、経済学者ならどう答えるだろうか。女性が背の高い男性を好む理由からオリンピックのメダル獲得数まで、身のまわりには運や努力、能力の違いによって生じるさまざまな格差や不平等がある。本書は、それらを本質的に解消する方法を考えることによって、経済学的に考えるとはどういうことかをわかりやすく紹介する。

内容(「BOOK」データベースより)

「お金がない人を助けるには、どうしたらいいのですか?」小学5年生が発したこの問いに、経済学者はどう答えるだろうか。女性が背の高い男性を好む理由からオリンピックの国別メダル獲得数まで、私たちの周りには、運や努力、能力によって生じるさまざまな格差や不平等がある。本書は、それらを解消する方法を、人々の意思決定メカニズムに踏み込んで考えることによって、経済学の本質をわかりやすく解き明かす。

登録情報

  • 新書
  • 出版社: 中央公論新社 (2005/12)
  • ISBN-10: 4121018249
  • ISBN-13: 978-4121018243
  • 発売日: 2005/12
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (29件のカスタマーレビュー)
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35 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 私撰 綜(しせんそう) トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
本書の狙いは、世の中で起きている格差の問題について経済学的な意味を考えることで経済学的な思考のセンスを身に付け、社会を視る眼を養うことである。ここで言う経済学的思考のポイントとは、

1)金銭的なインセンティブの観点で物事を見ること

2)物事の相関関係ではなく因果関係をきちんと押さえること

である。ただし、人々の行動原理には、名誉、プライド、価値観、使命感、生きがい等の非金銭的なインセンティブも大きく関係している。

1章、2章では、身長や美男美男度と賃金の関係、オリンピックのメダル数と人口&一人当たりのGDPとの関係を例に、こんなことも経済学者が研究しているのか?という驚きを提供し、経済学的な思考に対する興味を喚起してくれる。

そして、3章、4章では、現在から将来の日本が抱える問題について論考している。具体的には、'V章では年金の仕組みを例に年功賃金について検討し(賃金抑制のための成果主義の問題についても言及)、'W章では所得格差と再配分について取り上げている。

1〜4章では興味を引くようなトピックスを取り上げ分かりやすく説明しているため、単なる読み物として面白く読めてしまう。しかしながら、プロローグではこの本の目的として“お金がない人を助ける具体的な方法を提示することではなく、お金がない人を助けることの経済学的な意味を考えてゆくことである”と述べられており、エピローグでは所得格差の問題は“機会の不平等や階層が固定的な社会を前提として所得の平等化を進めるべきか、機会均等を目指して所得の不平等を気にしない社会を目指すかの意思決定の問題である”と指摘している。

本書を読む前にエピローグとプロローグを先に読むほうが、本書のポイントを明確にして読み進められるかもしれない。
このレビューは参考になりましたか?
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By itgaki トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書|Amazonが確認した購入
副題にある「お金がない人を助けるには」に惹かれて購入しました。
ただ、本書を読んでいると、本題の「経済学的思考」について、色々な例を挙げて説明しています。それはそうですよね。(とはいえ、論じられていないわけではありません)

筆者の云う経済学的思考というのは、世の中の出来事を「リスクとインセンティブ」で捉えなおしてみてみること。また、色々な事象の相関関係について、その中にある因果関係を捉えるための思考であるとしています。
また、昨今注目されている行動経済学の事例も紹介してあり、それらも今後の経済学的思考には必要なことと感じました。

語る上での実例として「女性はなぜ背の高い男性を好むのか」「美男美女は本当に得か」「いい男は結婚しているのか」など世間話としても面白いものから、日本的雇用の損得、所得格差と所得の再分配など一般的に経済学のイメージに近い話題までを扱っていおり、それらを改めてインセンティブとリスクからの視点で語っているので、読むのが苦ではなく面白く読み進めることができました。
また、事象の相関関係からあたかもそれらが因果関係であるかのように捉えて議論を進める例は、仕事上私の周りでもよく見られることなので、改めて因果関係を探りだすセンスは必要である!ということを感じました。

おそらくちゃんと経済学的視点で物事を見るためには、たくさんの事例の検証を必要とするのでしょうが、「センス」と言う意味では、見方を変えるだけで物事の捉え方が変わるのだということを理解させてくれる一冊でした。
面白かったです。
このレビューは参考になりましたか?
18 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 糸音 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
第1章「イイ男は結婚しているのか?」では「イイ男は結婚している」のか「結婚してイイ男になる」のか、どうでもいいような興味のあるような、かつ経済学とは一見無縁であるような話題を経済学的な思考を用いて追求している。外見が本当に生産性に関与するのか?所得プレミアになるのか?結婚は生産性を上げるのか?調査や仮説を駆使して因果関係を求めることが経済学の重要な思考法であることを伝える章である。

第2章「償金とプロゴルファーのやる気」ではプロスポーツの世界が経済学では絶好の調査対象であることを初め知った。個人競技であるゴルフと集団競技である野球それぞれの成果のはかり方の違い、リーグとして繁栄するための考察も興味深い。また大学教授やエンジニアを例に金銭によるインセンティブは本当に有効か、有効であるならばその条件について・・・といった成果報酬主義の限界に鋭く切り込んでいる。非金銭的インセンティブの強調は経済学というと金銭的価値と短絡しがちな風潮に警鐘を鳴らしている。なんでもかんでも成果主義の人々に是非読んでもらいたいところである。

第3章「年金未納は若者の逆襲である」第4章「所得格差と再分配」は昨今話題の格差社会論に挑戦している。様々な調査や学説を駆使して世代間格差や社会保障の問題とも絡めながらそれぞれの世代が自分の利益の最大化を図ろうとする姿が浮かび上がる。ここでも各種の統計・仮説を駆使しての因果関係の追求とそれぞれの立場からのインセンティブの追求が織りなす世界である。

章が進む事に次第に身近な問題へと論点が進んでいく。興味を抱きそうな話題から経済学的思考への導入を行い、身近な問題へと発展することにより、自分のまわりの世界を経済学的思考により読み解くように誘導する。なかなか巧みな展開であるように感じた。
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