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この本の画期的なところは第1章にある。まずそもそも議論とは何か、論理的思考とは何か、をかみくだいて論じているところだ。その説明は1章分、わずか数十頁にすぎない。しかし、その効果は絶大だ。経済学をかじる、あるいは復習する前に、まずは基本中の基本をおさらいしようという試みは心憎いかぎりだ。その経済学の説明も、理論だけでなく、データの読み方や表現方法も同じくらい重視しているところはとてもいい。理屈としてどうか、ではなく、証拠と照らしてどうかが大事なのだから。その説明のしかたも、概念図を多用してわかりやすい。
経済学の部分については、本当に簡単な道具だけで多くのことを説明しているのはじつにうまい。最後の第4章は結構、高度なことをやっていると思うけれど、すんなりと説明されている。
注文をつけるとしたら、本書のルール(手際よく10にまとめられている)を使ってトンデモない議論を解剖した部分がもっとあればよかった。そういう例題や演習問題がついていれば、この本の価値はさらに増しただろう。もっともそれは続編のためにとってあるのかもしれない。
ロジカル・シンキングといった本だけではでは現実の経済にどう応用するか心もとないと考える人、経済学を学ぶ前に議論の基本を確認しようという人にぜひ薦めたい。
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