経済数学の初歩の初歩を解説した教科書です。よくいへば入門的、はつきりいへば大学の教科書であるにもかかはらず高等学校の数学を高等学校レベルで説明した教科書です。解析学の専門家だけあつて、微積分の説明などは大変わかりやすく、さういふ教科書としては優れてゐると思はれます。要するに、数学が苦手で、高等学校レベルの数学が十分身についてゐないが、経済学部や経営学部に進んだため経済数学をやらなきやならなくなつた人向けでせう。といつてもばかにしてはいけません。'T種の国家公務員試験であつても、本書程度の理解が得られていれば、数学的には大部分の問題に対応できます。他方、経済学や経営学のための数学という趣旨になつてゐますが、大学で本来扱ふ数学を大学レベルで解説してゐるわけぢやありません。内容は大学以前のものに限られてゐるので、大学の数学に関心がある人や数学が得意でもつと勉強したいといふ人には何にもならないでせう。その点では注意が必要です。決して悪い本ぢやないが、以上のやうな所見から大学の教科書として星三つぐらゐ。