経済ナショナリズムについて淡々と事実を述べているのが画期的だという不思議な本である。グローバリズムとはアメリカ方式を他国に押しつける米国ナショナリズムに他ならないと喝破している。
暴走したグローバリズムによる金融危機へ対応するため、米国は金融・保険業界を国有化している。そのうちGMまで国有化するかもしれない。これも米国の経済ナショナリズムなのだろう。
経済の健全な発達のためには十分に教育されて、文化的、伝統的に共同体意識を持つネイションが必要である。ネイションとは国民であり、その国民が作る企業や政党、NGOまでをも含む共同体である。経済ナショナリストは、ネイションのための経済政策を執るべきと述べている。何かを成し遂げるネイションの力こそがお金より大事な国力なのだ。
日本が過去10年に渡って実施してきた構造改革は、新経済自由主義者が唱えるグローバリズムを推し進め、日本のネイションを解体し、国力を弱めるものでしかなかったと現役官僚が述べているのである。日本人の潜在的能力を信頼し、日本の伝統的共同体を守る経済政策が必要だという主張が、この国のナショナルに当然のこととして受け止められることを私も願う。