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北城さんが訴え、教えていることは次の点です。
・全体世界の中で日本の仕事の変化、それに伴って浮かび上がってきた21世紀日本型人材像を理解してもらうこと
・人間の「血肉」を作る大きな要素が仕事であることを理解してもらうこと
・その大事な仕事に関して、将来やりたい仕事の内容を徐々に考え始めてもらう学校教育の重要性を理解してもらうこと
・北城さんがどういう仕事をしてきたのか、歩んできた道を直接子どもに参考情報として伝えること
仕事が人生の重要部分ですから、仕事との適合性の切り口で現在の日本教育の有効性を問う方法は説得力を持っています。
最近の子どもの「ままごと遊び」で気になることがあります。父親の姿は前から見えないのですが、今時は、エプロン姿の母親がままごとに登場しないと言います。子どもには生き生きしたロール・モデルが必要です。具体的なものがないと、子どもは仕事を、自分の将来をイメージすることができません。北城さんの自分開示の努力が生きたロール・モデルの提示の一つになり、それがきっと教育改革を起こしていく力になると思います。
なお、北城さんの世代は小中学校の「道徳の時間」を知らない世代だと思います。北城さんは、仕事のこと以外で、基礎の倫理をきちんと教える重要性についても書いておられますが、道徳授業の実態がどうなのか、それが旧型で効果が低いケースが多いことをご理解いただきたいと思いました。そして欧米では道徳授業ではない『感情と人間関係学習(SEL)』が台頭し、効果をあげつつあることを、有力なリーダーの北城さんに知っていただき、一層の教育改革の先頭に立っていただきたいと思いました。
というのは、もちろん、気のせいである。しかし、勘違いをしている当の本人はなかなか気づかない。自分が働かずに食べられるのは、他の誰かが、自分の知らないところで働いているからに過ぎない。そんな暮らしは、絶対に長続きしない。
こうした世相を受けてか、ここのところ、職に関する日本人、とくに若者の意識向上について、心ある人たちの提言が相次いでいる。一昨年、村上龍の「13歳のハローワーク」がベストセラーとなったが、本書もそうした流れに属するものだ。
本書は大きく、
・就職してから日本IBM会長に上りつめるまで、どのように仕事と向きあってきたか
・これからの教育はどうあるべきか
からなっている。
表題の「15歳に教える」の看板に偽りはなく、非常に平易な表現ながらも、巨大企業の経営者の仕事とはどんなものなのか、組織論にもきちんと踏み込みながら、熱く語りかける。通常のビジネス書として読んでも十分おもしろいし、かつ15歳が読んでも、仕事の面白さ、大切さがちゃんとわかる内容になっている。なかなか、たいした筆力だ。
15になる息子に読ませようと買ったのだが、期待に違わぬ良質な仕事論だった。さっそく読ませて感想を聞いてみたいと思う。
エリートじゃないから上の目は気にしない、遅い出世で仕事に対する心構えを学んだ、という著者ですが、中学・高校・大学と慶応ボーイですし、入社してすぐ先輩を飛び越えて社内の派遣留学生に選ばれていますから、それほど苦労はしていません。なにしろ、読み始めて20分で社長になっちゃいましたから(笑)。
成功者である著者が、一生懸命に仕事をし、結果を出し、経営者まで上り詰めた成功談を素直に語っている姿勢に好感が持てました。同じ著名人でも、謙遜しているふりをしながら、その実、自分の自慢話をタラタラと書いている人もいることを考えると、貴重な本だと感じます。
自らの経験を語った後は、経営とは何をすることなのか、これからの会社はどうあるべきか、これからの教育はどうあるべきか、これからの君たちはどう生きるべきか、と次々と難しいテーマで語りかけます。
自分が中学生の頃にこういう人と出会っていたら、もう少し社会を見る目が養われていただろうな、と思うと、少し悔しい気もします。
自らの仕事の体験を通して、働くことの喜び・厳しさ・経営者とは、など、著者の体験と理念が凝縮されています。活字も大きく、やさしい言葉を使っていますが、中学3年生に聞かせておくにはもったいない内容です。大人も、ぜひ読みましょう。
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