経営戦略論を初めて学ぶ人向けに書かれたもののようで、比較的平易な記述で、網羅的に書かれています。また、実際の企業のケースも随所で紹介されているので、各テーマについて具体的なイメージを持ちながら読み進めることができます。
内容は大きく三部に分かれていて「戦略を立てる」「戦略を革新する」「戦略を広げる」というテーマで進んでいきます。
最初の「戦略を立てる」という部分では、基本的な戦略立案についての考え方、環境分析についての考え方やドメインの定義について紹介されています。どれもとても丁寧に、しかもやや詳しい部分まで説明されているので、簡単に書かれすぎている入門書に不満を持っていた人にはお薦めの部分です。
続く「戦略を革新する」部分では、新規事業創造戦略やベンチャー企業の成長戦略、ネットワーク戦略について紹介されています。
最後の「戦略を広げる」ではグローバル戦略や地域企業戦略、組織の社会性についての議論が紹介されています。また、地域企業の章では産業クラスターについての議論が紹介されていたり、最後の章では企業の社会的責任にも触れるなど、他の経営戦略入門書ではあまり見られない(であろう)内容も紹介されていて、参考になりました。
教科書らしく、各章の最後には関連する課題図書・文献がコメント付きで紹介されていて、更に理解を深めるための良い指針になります。