従来「組織改革」「風土改革」というものは、組織的にやらせになり膠着するか、あるいは自発的な流れをまち停滞するかのどちらかになりがちであった。本書では、このように従来二元論に陥りがちな組織改革を、「事業の軸」を切り口にして、価値観の統一と個の自律という根底からの変革ととらえなおしている。
タイトルには「部長層」とあるが、必ずしも部長に限らない。本書では複数の企業の事例が詳細に紹介されているが、変革の推進スタイルは企業ごとに異なる。しかしそれぞれの変化は「思い」と「ポジションパワー」と「仲間」が融合したに発揮されており、インテグラル思想における「I」「We」「It」の統合が企業変革の中に応用されている稀有な事例といえよう。
また、事業を変えるというと、とかく顧客や商品の変化という視点になりがちだが、「事業の軸」という価値観を作りこみ、それぞれが考える環境をつくりあげることにより、今までの仕事にひとりひとりが新しい意味づけをし、そして行動を起こすプロセスまでが具体的な手法にまで落とし込まれて説明されている。
ポジションにかかわらず企業変革を求めるすべての人が求めていた一冊であろう。