本書は98年に設立された「価値創造フォーラム21」の10年間の活動を集大成したものである。バブル崩壊後の後遺症に苦しむ日本経済を再生する為に、新たな企業価値を創造しようと財界や学会のリーダーが立ち上げたフォーラムでは、グローバルスタンダードのうねりを認識しつつも、日本企業に備わった長所に注目して来た。本書では20余名の財界や学会のリーダーの講演内容を一冊に纏めている。
日本的経営の良さは、人のネットワーク、コミュニケーションに基づくチームワークを重視し、会社の方針や経営理念が社員や顧客にもしっかりと理解されることが、企業価値を高めることに繋がるという、一見すると「急がば回れ」の考え方にある。
これからの時代は、かつてGEが標榜した様に、1位か2位の事業のみを残すという、相対的な競争から絶対価値の創造と追求が課題となり、その為の絶えざるイノベーションが必要となる。市場原理であるグローバルスタンダードと、より良いモノ、より良いサービスを作りたいという人間の夢を追求する人間原理を併せてより高い次元を目指すことが、これからの経営の美学であると、編者は纏めている。