最近著者の「虚妄の成果主義」を読んでみました。成果主義についての評価には頷ける(アマゾンのレビュ−では様々な評価がありますが)ところがあり、同じ著者の本を読んでみたいと思っていたところ本書に辿り着きました。少し古い本ですが、ご興味のある方は本書と「成果主義」を一緒に読まれると、より一層著者の考えが分かると思います。(著者は世間の流れに左右されることなく、一貫した研究態度で経営を見つめています。)
「経営の再生」ということで、第一章「多角化戦略」から第八章「企業・戦略の組織論」まで、世間で言われていることを検証しています。例えば、ポ−トフォリオで経営するという「常識?」に対しては、PPMでは「負け犬」となる事業が逆に勝ち犬になった例(P.65)とか、アメリカにおけるホンダの有名な成功例(某コンサルテイング会社の分析とは逆!で、かのミンツバ−グも「戦略サファリ」で引用)など、「常識」に棹差す貴重な意見が多数あります。因みに著者が本書の新版を出すときには、ミンツバ−グの「日本企業は戦略のイロハをポ−タ−に教えたら?」(「戦略サファリ」P.124)を付け加えると良いのではと思います。勿論「常識」に疑問を投げかけている訳ですから、読者も「常識」の何たるかは知っておく必要があるでしょう。
最後に一言。著者の「経営する」とは何なのか、には多くの点で同調しますが、もう少し原理・原則の説明を少なくして具体的な例(一般的に言われていることの間違い・考え違いを指摘)を増やすともっと魅力のある本になると思います。