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絆 いま、生きるあなたへ
 
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絆 いま、生きるあなたへ [単行本]

山折 哲雄
5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

1000年前の都の大地震を綴った『方丈記』、鎌倉大地震を背景に書かれた『立正安国論』を踏まえ宗教学者が語る日本人の自然観、死生観。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

山折 哲雄
1931年アメリカ生まれ。1954年東北大学インド哲学科卒。東北大学大学院を経て、61年助手。鈴木学術財団研究部、春秋社編集部を経て、76年駒澤大学助教授、77年東北大学助教授。82年国立歴史民俗博物館教授。88年より国際日本文化研究所センター教授を経て、同センター所長などを歴任。むずかしいテーマを分かりやすく、かつ独特な視点から論じているユニークな宗教学者。2010年、南方熊楠賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 189ページ
  • 出版社: ポプラ社 (2011/06)
  • ISBN-10: 4591124886
  • ISBN-13: 978-4591124888
  • 発売日: 2011/06
  • 商品の寸法: 19 x 12.8 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By nacamici トップ1000レビュアー
鴨長明、日蓮、寺田寅彦、岡潔、和辻哲郎、宮沢賢二……。時代時代の宗教家、思想家の言葉を追いつつ、私たちが災害や不条理や死とどう折り合いをつけてきたのかに思いを馳せる。老学者は元暦の大地震、鎌倉大地震、明治三陸地震、昭和三陸地震、そして今回の地震を変らぬ距離感で見つめながら、「無常の普遍性」をおだやかな語り口で説く。無常を受け入れたうえで鴨長明のごとく風流にしたたかに生きていく知恵が日本人にはあるはずだと。

宮沢賢治の『グスコーブドリの伝記』にも色濃く反映された「世界が幸福にならないうちは個人の幸福はありえない」という世界観は、トルストイの『人生論』の課題と重なると思ったが、本書ではさらに「世界の幸せも個人の幸せも」と言いながら、いつのまにか「世界の幸せか個人の幸せか」に問題がすりかわっていくことの危さに触れている。私たちは危機においては個人を犠牲はやむを得ないと当たり前のように考えてはいないか。

地震とは直接関係のない章のエピソードのなかで興味深かったのは、生涯を通じてキリスト教徒であった神谷美恵子が晩年に抱いた大いなる疑問である。人生の盛りである30歳で十字架にかけられて亡くなったイエス・キリストは、60歳をこえて病と戦いながら死に近づいている自分の苦しみを本当に理解して救いえるだろうかと悩み、そのときに思い浮かんだのが80年の生涯を生きた仏陀の存在だったという。仏教でいう林住期を迎える前に受難し復活を遂げたイエス、聖俗の間を行ったり来たりしながら苦行の林住期を経たのちに悟りをひらいた仏陀。人生経験の違いは世界観の違いともなる。

古今東西の宗教は、究極の無常、つまり人間が死ぬというその一点に注ぐ無数の川のようである。著者に手引かれて仏教、ヒンズー教、キリスト教、そしてまた仏教とぐるりとまわって帰りついた先からが自分自身の思索の始まりである。
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By スイート・サイエンス トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
本書は東日本大震災を契機として書かれたものであり、特に第一章の「災害とともに生きてきた日本人」は日本人が過去からどのような態度で災害に接していたが示されている。ただ、内容的には日本人は「自然に逆らわず生きてきた」というものであり、目新しさはなかった。

第二章から第五章にかけては人間の生き方に関する考察がなされており、その中で釈迦の時代のヒンドゥー教徒が理想とした四住期という生き方が紹介されている。「学生期」「家長期」「林住期」「遊行期」の四段階を経るというものであるが、仏陀や親鸞の人生をこれに当てはめて説明を試みている点はなかなか興味深いものであった。また、仏教文化圏は「牛」、西洋文化圏は「羊」的な生き方をしているという指摘にはなるほどと感心した。

非常に読みやすい一方で、テーマがこれといって絞られていないため、やや散漫な印象を与える一冊であった。
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