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家族だからこそ書ける田中角栄さんにまつわる
数々のエピソードはとても面白いです。
角栄さんが倒れ、お亡くなりになるまでの数年間は
辻さんも、京さんも全く会うことができずなかったという場面は
とてもお気の毒でした。
それだけ、本妻と眞紀子さんの心には
深いわだかまりがあったのかな、、、と思います。
辻さんも、京さんも本妻側の悪口を著書の中で表立って言ってないので
読んだ後に、読者が嫌な気分にならなくてすみます。
きっと、そうすること(本妻側と争うこと)が角栄さんを一番悲しませることであることを
知っているからなのだろうな、、と思います。
タイトル通り、家族の深い「絆」が感じられる本です。
角栄曰く「挨拶、会釈をちゃんとしろ」「握手するときには相手の目を見ろ。そしてぐっと握れ。ぐっと握らない奴は信用するな」(p.38)。うーん、いい。普遍性がある。角栄曰く「お前たちは金を使えるんだから使うのはかまわん。だが、バカな使い方はするな」「最初から偉そうに人に奢ったりするこのはバカのやることだ。バラバラと出すんじゃない。本当に必要なとき、いざというときにドンと金は使うものだ、それ以外は皆と同じようにやれ」「貸した金は返ってくると思うな。あげたと思え。金の貸し借りがあるから人間関係がおかしくなる。自分でできると思うならくれてやれ。貸したと思うな」(p.54)。実践的。つとめていたCBSソニーをやめて、美食家として慣れ親しんできた和食をプロデュースする店を出したいと告げた時「バカモン!大根の皮むきだつて三年もかかるんだ、店をやるなんてそんな甘いもんじゃない」。京さんも書いてるけど、大根の皮むきができるようになるまで和食の世界では三年かかるなんてことをよく知っているな、と。
しかし、一番のエピソードはビートルズの来日を認めるかどうかということが政府与党の間で問題になったとき、ビートルズの曲を聞かせろ、と幹事長だった角栄が京さんのところに来て、選曲しだいでは影響が出ると思った京さんが「イエスタデイ」「アンド・アイ・ラブ・ハー」というバラード攻撃で「ふん、なかなかいいじゃないか」という心証を引き出すことに成功したエピソードかな(p.78-80)。京さんはご褒美にビートルズのコンサートチケットを貰ったという(『熱情―田中角栄をとりこにした芸者』p.194-195)。
この本が出て一番心穏やかでないのは田中真紀子さんだろう。
人がたくさん集まるようにと名づけられた「京」という名前といい、真紀子さんが京さんに恐れをいだいていたのは想像にかたくない。
真紀子さんに邪険に扱われても京さんは真紀子さんを悪く書いていない。5歳で亡くなられた長男の正法さんが生きていたら真紀子さんと神楽坂の兄弟とは違う関係になったと思うと残念な気持ちがする。
真紀子さんはこの本にどういう対応をするか興味がある。
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