組込みシステムにおける幅広い情報を取得するための教科書である。
例として、メカが最終目的ではないカメラと、メカの挙動が人体に影響を与える可能性がある改札という話題を扱っている点はバランスが取れている。
工業高校2年または大学1年で教科書として使うと、そこで興味を持った内容を、さらに深めることができるかもしれない。
ps.
組込みシステムで難しいのは、安全に関連するシステムと安全に関係があまりないシステムの間の方向性の違いがある。
安全に関連するシステムでも、機械安全に関係するシステムとそうでないシステムでも方向性が違うかもしれない。
例えば、第3章のシステム開発の全貌では、機械に関する記述、安全に関する構成要素が少なく、機械、安全に関係の少ないシステムを想定しているような構成のように読み取れる。
第4章、ハードウェア要素技術も、電子要素だけで、機械要素がない。
第6章、ソフトウェア開発技術では、ソフトウェア設計の評価、アーキテクチャの評価、品質と安全の関係が主要な事項になっていない。
第7章のグランドチャレンジには、7.6にメカまで含めたシステムレベル設計がある。
これがこのシリーズの中で、1つの本になると嬉しいかもしれない。
例えば、次のような内容。
機械を含めたシステム設計
機械安全と機能安全
機械安全とソフトウェアでの実現
機械とソフトの時定数の違いとリアルタイム処理
モータ制御とエンジン制御のシステム、ソフトウェア設計
機械モデル設計と機械モデル検証
機械モデル設計と自動生成を含む実装
機械の試作を繰り返す場合のソフトウェア工程管理
6.9 モデル駆動アーキテクチャがある。
機械モデルと電子モデルとを分けて考えたい。
6.3 モデルと抽象化も、安全に関するモデルとそうでないモデルでは方向性が違うかもしれない。
ps.2
日本機械学会が、中核人材プロジェクトで研修教材をまとめられている。機械学会の研修教材とうまくつながると、機械科の方々がソフトウェアを作成するのに手助けになるかもしれない。
組込みの事例については、 「組込みシステム開発事例集」が産業技術連携推進会議情報電子部会組込み技術研究会から出ているので参考にするとよいかもしれない。