組織開発領域のソフトな部分に限って、基本的な用語の意味を調べるにはよい本だと思いますが、これで組織開発を実践するのは結構危険だと思います。
内容については、様々な文献から引用してはいるのですが、ただ単に表層的・断片的に引用しているだけであり、組織開発のプロジェクトを如何にマネジメントするのが効果的・効率的なのか、様々な手法をどのタイミングやどの状況下で如何に活用していくのがよいか、についてはほとんど触れられていません。個別の手法については、引用元の文献や、各々の領域での良書を読んだほうが有益でしょう。
また、組織開発のソフト領域に限定されており、ハードの部分(組織・業務・制度の改革)については全く触れられていません。組織開発に何を含めるかについては様々な議論があるのですが、組織開発が経営課題を解決するために組織に着目した手法であるならば、ソフトだけ、ハードだけという区分は有益ではありません。何れかだけが得意な組織や人の自己満足に過ぎません。
ソフト領域に限定した組織開発を生業としているコンサルティング会社が、自社の営業目的で出版したに過ぎない本だといえます。
組織開発については、デーヴィッド・ナドラーやゲイリー・ハメルの著書を読まれたほうが有益です。