この本を手にする前に、職場に関する新書を何冊か読んでみましたが、
感情的な論調で「イキイキした職場/やる気に満ちた…等々」、
自己実現の美名の下に、雇用者側に好都合な解釈がなされているだけでないかと
読後感に腑の落ちなさを感じておりましたが、
この本は、組織の目的の定義から始まって、
過去の関連研究のレビューを踏まえつつ、
ベタベタした表現は一切なく、簡潔に、組織論についての
主流な考え方の変遷を踏まえつつ、組織構造論と組織行動論、
リーダーシップ論とフォロワーシップ論、組織の成長段階に応じた
適切な組織の在り方などが、網羅的に踏まえられており、
納得性の高い内容となっております。
先の新書の納得性の無さは、非常に小規模の集団での事例にもとづいて、
組織の規模、組織の属する産業の成長段階についての検討を経ることなく、
あたかも「イキイキ組織」こそが、組織の唯一の理想であるがごとく
提示していることにあるのだと、この本を読んで確信しました。
単なるリフレッシュ剤のような効果でなく、
本質的に組織について関心を持たれている方に
お勧めしたい一冊です。