虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメで、短期的業績を金銭で還元する成果主義を批判した高橋伸夫氏の作品。なんだか、安心感がある著者なので好きです。
この本では、新書でありながら超アカデミックな組織論の解説・分析も行っており、一部に大変学術的な記述がある。本文中には最低限のことだけを書いて、さらに詳しく知りたいその筋の専門家には付録でより詳細に記載している。
一方で、本文のほとんどはくだけた表現で、組織のあり方、若者の育て方を語る。それには承認行為の大切さや正社員の若者を雇うことが組織に与える好影響、長期的スパンで組織や仕事、人生を見ることの大切さが書かれていて、非常に参考になる。
組織の合意のあり方って実際どうなのかとか、オヤジが若者誘ってアフターファイブに飲みに行くことの何が悪い、目標を達成して成果を上げても会社のためにならない目標管理なら辞めた方がいいとか、本当に同意できることばかりだ。一見泥臭い例を挙げながら、それでいてアカデミックな組織論も語っていて違和感がない。
「仕事ができる人」は替りがきく。そうではなくて、「仕事を任せられる人」が大事なのであって、しかもその人を育てるのは大人の役目だと言う言葉に、いろんな意味で涙がでる。