世界最高峰の吹奏楽団、パリ・ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団による1995年来日公演でのライブ収録です。収録曲は以下のとおり。
1. モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」序曲
2. ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第一幕への前奏曲
3〜13. ムソルグスキー(ラヴェル編)/組曲「展覧会の絵」
14. ブートリー/生きる歓び
15〜19. ストラヴィンスキー/バレエ組曲「火の鳥」
はじめに明言しておきますが、これは好き嫌いが別れる演奏かもしれません。管弦楽曲を無理矢理に吹奏楽編曲することに抵抗を感じる方にはもちろんのこと、世界最高峰と謳いながらもやや雑に演奏されている箇所もあります。後者はライブ収録の醍醐味といえば片付くものかもしれませんが、演奏が少々「コケて」いるのも残念ながら否めません。
それでも、本当に素晴らしい演奏なのは間違いありません。特に圧巻だったのは『展覧会の絵』の『バーバ・ヤーガ』と『キエフの大門』です。クラシックファンを中心に多くの人に愛されてる名曲中の名曲を、ラヴェルの色彩豊かな管弦楽編曲そのままに吹奏楽で聴くことができます。『キエフの大門』の荘厳さは、音の密度も相まって管弦楽曲以上のものになっていると言っても過言ではないかもしれません。初めてこのCDを再生したときは、キエフの大門で涙を流したほどに感動しました。
ストラヴィンスキーの『火の鳥』も特筆すべき演奏でしょう。『王女たちのロンド』での木管の美しいソロや、それと対峙するような『カスチェイの邪悪な踊り』での低音の唸るような響き、そしてフィナーレに向かう爆発的エネルギーは吹奏楽ならではのもの。管弦楽団のみならず吹奏楽団でも頻繁に演奏される同曲ですが、そのお手本の一つに挙げられるような白熱した演奏を楽しめました。
日本クラシック界では「吹奏楽」というものは特異な地位を占めています。「中高生の青春」「一過性のブーム」そんな程度に捉えられているのではないかと。「吹奏楽なんて…」と考えているクラシックファンの皆様、ぜひともこの1枚で、本場欧州の吹奏楽をお楽しみください。そして、吹奏楽の響きが持つ無限の可能性を感じてください。