時刻表ニ万キロを読んだ後だと、記憶がよみがえってくる
それと同じように宮脇も新たに取材して記憶を新たにしたかもしれない
日本中を旅しても、一度に春夏秋冬を感じられるわけではない
春のみであったり、秋真只中であったり、冬から春の間であったりと比較的長い瞬間である
いわば点でしかない
旅の良さは自然の中の見たことのない樹叢であったり、初めてみる川や沢の流れ、
人々の暮らしの中にあっては、家々の作りの違いや瓦の色、民家なら屋根の棟上のしゃちほこの各地での違い
普通電車車内に聞こえる、方言の新鮮さと理解不能さ
これらは皆、旅にあって出会えるもののうちのいくつかである
心躍らせられるものである
旅というのは点の連なりである 瞬間の連なりである
この瞬間が連なり線になればいいなの思うことがある
しかし、これが線となってしまうと、旅ではなくなる
春夏秋冬ともにそこに住むことによってしか線にはなりえないからである
そうなると見たことのない木や川に心躍ることもなくなる
点が線へと変化するとき それは旅が終わる時である