“当代最高のハードボイルド”“現代警察小説の到達点”といわれるマイクル・コナリーの<ハリー・ボッシュ>サーガ第11弾。
3年間の私立探偵稼業を経て、退職者再雇用システムによってロス市警に復帰したボッシュ。配属先は強盗殺人課の一部門、「未解決事件班」だった。彼は旧知のライダー刑事とペアを組んで、17年前の女子高生殺人事件に取り組む。凶器となった拳銃についていた血痕とDNAが同一の人物が見つかったのである。彼が犯人だったのか・・・?
当時の調書を再精読し、地道に17年前の関係者を訪ね、捜査に齟齬がなかったかチェックを重ねるふたり。しばらくは、正統的な警察小説らしいまっとうで地道な捜査が続く。
しかしやがて事件が当時の市警上層部からの圧力で迷宮入りとなっていた事実が判明。意外な背後関係に難航する捜査。ボッシュたちはマスコミを利用したおとり捜査まがいの仕掛けをかける。結果は失敗に終わり、警察内部から批判を浴びることに。彼らに突破口はあるのか・・・?果たして真犯人は・・・?
本書は、いままでの、はみ出し刑事、一匹狼のボッシュものとは少し異なり、チームを組んで、組織だった活動に終始するボッシュの姿を、いかにも警察小説らしく忠実に描いている。そして事実にもとづき、地道に段階を追って、事件解明に当たっている。その先に意外な真犯人が潜んでいたというわけである。
しかし、ロス市警副本部長アーヴィングとボッシュとの対決といい、ほろ苦いラストといい、随所にボッシュファンには応えられないスポットを配しているところはさすがである。