評判に違わないSFの名作(原書は1974年の刊行)。
この時代、精神的・肉体的にエリートであるがゆえに徴兵された若者が、姿形もわからなければ(物語の進行に従い徐々に判明してくる)、攻撃してくる目的さえ判然としない異星人「トーラン」を相手に、歩兵として戦いに明け暮れていく様が丹念に描かれていく。
ウラシマ効果なるSF的手法や、数世紀に渡る未来像など、精緻に無駄なく書き込まれた描写に退屈さを感じることもなく、読後に茫然自失の状態を迎えるほどの感動・・・というか、物語の深みを余韻に感じながらの終焉が身に浸みてくる。
機能強化された機械のスーツを着込んで敵と戦う主人公の姿が、どうしても、ハインラインのやはり名作である「宇宙の戦士」を想起してしまう点、著者のベトナム戦争への従軍経験が本書に及ぼした影響など、本書にまつわる議論はいろいろあるようだが、それらを後回しにして、まずは本書を手にしてもらいたい。
なお、本作には、派手なエンターテイメント性は感じられないので、その種の作品を期待する読者には不向きであること、注意されたし。
2009年6月の時点で、本書はカバー絵を改めたトールサイズの新装版となっている。