妻はそれきり11年、口を利かなかった――。
30を過ぎて結婚した男女の遠く隔たったままの歳月。ガルシア=マルケスを思わせる感覚で、日常の細部に宿る不可思議をあくまでリアルに描きだす。過ぎ去った時間の侵しがたい磐石さ。その恵み。人生とは、流れてゆく時間そのものなのだ――。小説にしかできない方法でこの世界をあるがままに肯定する、日本発の世界文学! 第141回芥川賞受賞作。
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最も参考になったカスタマーレビュー
84 人中、67人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
いかにも芥川賞作品,
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レビュー対象商品: 終の住処 (単行本)
だらだらと人間の思考そのもののまま続く文章。時間の流れの遅速がつかみがたく、論理的に整理もされていない。確かにこれが人間だ。これが人間の思考そのままだ。妻のことは本質的に理解できないし、分かっていながら不倫を繰り返す自分自身だって、全くながら理解できない。結果と原因が入れ替わっているような混乱も、理解をあきらめてしまえば首肯できる。世の中には自分に分からないことがたくさんあるのだと。 だれのために書いているのだ、この小説は。誰に読ませたいのだ、これを。ああ、いやしかし、芥川賞系って、こんな感じなのだった。で、結局文学オタクの私たちが読んでるわけだし…。
8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
50歳代男性の過去、現在、未来の家庭生活・人生。,
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レビュー対象商品: 終の住処 (単行本)
主人公の彼は妻と30歳過ぎで結婚、彼自身が疑問に思う結婚生活は始まる。彼は製薬会社勤務、その内に社内恋愛が始まった。一方で妻が妊娠、女の子が生まれた。時代はプラザ合意後の急激な円高進行。長時間残業が常態化。家では優先順位1番の子供と妻が中心の生活。30半ばの頃、2歳の子と妻と3人で遊園地に行き、帰宅して些細なことから妻は口を閉ざし、次に彼と妻の会話は11年後。その間に付き合った女は深い関係・淡白な付合い含めて8人。家庭内別居の11年間後に、やがて仕事に大きな成果を収め、幸福感を回復し、土地を買い自宅を新築した。その2年後に米国医薬品メーカー買収案件が進展。彼は50歳、単身で米国長期出張。心がつぶれる寸前に担当取締役からきつい手紙。成功し帰国すると、そこには「終の住処」に妻が一人で待っていた。私が読むのはNon-Fiction専門で、直木賞の大衆小説も、ましてや芥川賞の純文学などは敷居が高い。しかし本書は著者の特徴ある文体、つまり非常に長いセンテンス、しかし滑らか、綺麗、心地良く、私はこの文体が気に入った。中年の半生だが同年輩の誰もが人生のどこかで経験済みのことだ。彼の人生も紆余曲折、かなりexcitingなものだが、余計な修飾も文章もなく削りに削った内容で淡々と進む。人間の過去、現在、未来、或いはもっと複雑な時間の流れにあっても、実は現在の瞬間が一刻一刻全てを決める。今を一所懸命に生きる、この身は実は生かされているのだ。子供も一時の預かりで、どこかの港に置いてまた夫婦の航海に出るという訳だ。ところで芥川賞受賞作品は内容と同時に、レビュー評価が大きく分散するところが特に面白い。芥川賞純文学と一般の大衆娯楽小説と混同した読者か、文藝春秋社員や選考委員に選考基準が疑問の読者か、実際に素晴らしい作品か、正直幅が広すぎて逆に参考にならないのも興味深い。
28 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
「生きる」と言う事は、常に「生涯」を生きる事,
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レビュー対象商品: 終の住処 (単行本)
読み終わって、何かざらっとしたものが心に滓のように残りました。それは何だろうと考えて見ると、この夫婦の様に途中「11年間、口を利かなかった」と言うのは極端にしても、他人同士が作る「家族」と言うものの「理解の限界」はあるのだろうと思います。 それが、この夫婦の様になるのかどうかは別にしても、一緒にいるのに感じる「孤独」と言うものは大なり小なりあるものでしょう。 そうした一体になれないもどかしさの中にありながら、「終の住処」で迎える二人の日々が、やがてやってくるのでしょう。 そのあたりのどうしようもない「寂しさ」のようなものを、改めて感じさせられる一冊でした。 この本の中で、もう一つ大きなテーマがあるように思います。 それは、主人公がアメリカでの仕事に挫折しようとしていた時、上司から届く手紙です。 「現在」と言うのは、その一瞬ではなく、「過去」の集大成であり「未来」の可能性であると言うことです。 これは「生きる」と言うことにおいて、非常に重要なポイントだろうと思います。 「生きる」と言うことは、常に「生涯」を生きているのだということです。 このことを心に留めて、残された人生を生きたいと思います。
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5つ星のうち 4.0
あ〜、ドキドキした。ページをめくるたびに、自分の結婚観が試されている気がした。
結婚とはなにか?家族ってなんだ?... 続きを読む
投稿日: 7か月前 投稿者: みやざきしんいち
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