イギリス版「オーシャンと11人の仲間」というべき、犯罪映画の佳作。地味には見えますが、主演J・ホーキンスをはじめ、俳優、スタッフともほとんどが(アメリカに渡ることなく)イギリスを中心に活動して戦後イギリス映画界を支えた人たちで、イギリス映画オールスターと言える一本です。犯罪メンバーの1人を演じ脚本も担当したB・フォーブスは本作の翌年監督デビューし、60年代に活躍。R・アッテンボローについては言うまでもないでしょう。監督B・ディアデンは中堅のイメージで、本作を含め日本でも佳作の評価を受けた作品が何本かありますが、”Victim”など代表作の多くが日本未公開で、真価が知られているとは言いがたい人。もっとたくさん作品を観てみたい。 本作はかつてビデオが出ていましたが、90数分の短縮版。このDVDも資料によればオリジナル(116分)より数分短い(109分)のですが、PALマスター(25コマ/秒)を使用しているなら、早回しで4%時間短縮となるのでほぼノーカットの計算。本DVDで復活したカット部分はメンバーの人物紹介の部分。こうしたシーンは脚本、演出の腕の見せ所ですし、これがあるとないとでは人物への感情移入の度合いが全く変わってしまいます。カットなどとんでもない話です。 DVD画面比率はスタンダード。劇場公開時はワイド比率でしたが、スタンダードで撮影して上下をトリミングする擬似ワイドだったようです。このDVDの画面は、構図に不自然な感じもないので、撮影時のスタンダード画面をそのまま収録したのではないかと思います。画質はほとんど傷もない優秀なもの。まっとうなライセンスを受けたマスターを使っているようです。