種村先生の作品はデビューしたての頃から読んでいましたが、ここまで作品に対して入っていけなかったのは初めてです。
友人から口頭でこの作品について教えてもらっている時の方が、面白く感じてしまったというのが何とも言い難い心持です。
何というか・・・設定はそんなに悪くないんです。まあツメの甘さは色々ありますが。
ただ設定以上に表現の仕方で滑っている感が否めません。
作品全体としてのバランスとまとまりに欠けるように思います。
素敵と思われる設定の切抜きをべたべたとノートに無造作に貼り付けた感じがしました。
そのため部分的にみればそれなりに見えなくもないのに、目線を離して全体像をみるとちぐはぐ。そんな感じ。
なんだか全てが上滑りするだけで・・・。
平気な人もいると思いますが、少なくとも私は主人公を始めとする登場人物に感情移入及び、共感すらできませんでした。
それは作品として致命的のように思います。
彼女のファンなだけに残念でなりません。
こう感じてしまうのは、登場人物の心理描写や心の移り変わりが表現しきれていないせいのように思います。
種村さんがどんな作品にしていきたいのか、どんなことを描きたいのかはびしばし伝わってくるのですが・・・残念ながら私は、それを彼女が彼女なりに最大限に生かし料理できているようには感じれなかった。
台詞の言葉選びや物語に出てくる絵本の物語なども美しくて、実に彼女らしいと思いはします。
つまり結論として言わせていただくと、そう思うに留まってしまって心に響いてくるものがありませんでした。
せっかくの見せ場も、今の段階でそういう台詞や展開をもってくるのか・・・と半ば落胆してしまいました。
こういったことから、物語の運び方や構成にも問題があると思えてなりません。
使い古されたネタでも、種村さんならおいしく調理して彼女なりの作品を作れるとおもうのですが。
あと最後にひとつ。
今回も歴代の作品に出てくる(短編含み)主人公と代わり映えがあまりしない主人公の性格や容姿。彼女の描くもっと違ったタイプの主人公がいつか見てみたいです。
一巻しか読んでませんが、今回はなんかもう・・・ギブアップかもしれないです。
消化不良を起こしそうになってしまいました。
もったいない・・・。