明と清の歴史を、シナと中国という観点から語る。シナとはこの場合漢民族の国家、中国は満州、漢、モンゴル、チベット、ウイグルのいわゆる五族による国家を指す。
一般に、元が明に滅ぼされたとされた後、モンゴルはどうなっていたのか、アジア大陸をめぐるさまざまな文化集団が、明・清の時代にどう活動していたのかを通じて、国家の興亡を描くその方法は、初版から40年を経ようという今も強い説得力を持つ。
この本においては紫禁城は栄光の象徴であって、特に紫禁城について詳しく書いたものではない。
国家というのはいたずらに興きたり亡んだりするものではない、ということを実感させられる。また、永続する国家組織というものは幻想に過ぎないのかとか考えさせられる。チベットと中国の関係、満州とモンゴルの違いなど、漠然としかわかっていなかったものが明瞭に示されている点でも認識を改めた。