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紫文要領 (岩波文庫)
 
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紫文要領 (岩波文庫) [文庫]

本居 宣長
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

「ただ人情の有りのままを書きしるして、みる人に人の情はかくのごとき物ぞといふ事をしらする也。是(これ)物の哀れをしらする也。」――物の哀れをしる心という概念で『源氏物語』の意義と価値を理解した宣長。歌論『石上私淑言(いそのかみささめごと)』とともに〈物の哀れ〉文学観の成立を示す最初の物語論。読みやすくなった、宣長の『源氏物語』論。

内容(「BOOK」データベースより)

物の哀れをしる心という概念で愛読書『源氏物語』の意義と価値を捉えた宣長。歌論『石上私淑言』とともに“物の哀れ”文学観の成立を示し、晩年の『源氏物語玉の小櫛』に先立つ最初の源氏物語論。

登録情報

  • 文庫: 240ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2010/2/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4003510127
  • ISBN-13: 978-4003510124
  • 発売日: 2010/2/17
  • 商品の寸法: 15.3 x 10.8 x 1.7 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By dvrm トップ100レビュアー
形式:文庫
宝暦十三年(1763年)、賀茂真淵との「松阪の一夜」があり、歌論「石上私淑言」も書き上げたという年に書き上げた源氏物語論。子安宣邦氏の校注で、巻末の解説も氏の手になる力作だ。

 最初に源氏物語成立の由縁についての解説をなしたあと、本論として源氏物語の内容とその執筆意図について、源氏物語からの文を豊富に引用し、あるいは問答形式で自説を繰り返し指し示す。その「大意の事」が上下に分かれて全180ページ弱のなかの130ページほどを占め、最後に作歌の上で源氏物語を読むことの重要さを訴えて締めくくる、という構成で、するすると読み進めていくのが心地よい文が最後まで続く。

 内容についていうと、当時の源氏物語読みで目立っていた勧善懲悪的な読解に反駁を加える物言いが全体にとても多く目に付く。今、源氏物語を読もうという人で、その中に勧善懲悪を読み取ろうという人はほとんどいないと思うのだが、その意味で今につながる源氏物語読みの先駆者なのだろう。

 また「もののあはれ」についてみていくと、良いも悪いもなく湧き出でる人情、悪いと思いながらも抑えようがなく、良いと知りながらなしえない、そんな人の心のいかんともしがたさを直視して、わざとらしさ・あざとさと潔癖さ・鈍感さを共に「わろし」とし、心細やかで情の深いさまを「あはれ」と感じまた「をかし」と思う感受性、源氏物語をそんな感じ方の汲めども尽きぬ源として読み解いていると見えた。だからこそ源氏物語が歌詠みのふるさとであることを、歌詠みでもある著者は力説する。

 なにか、「感情教育」という言葉が頭に浮かんできた。感受性のふるさと、源氏物語を享受する「もののあはれ」のネットワークとしての共同体を日本と見る視角が窺われる。

 現実の重層的な性質を上手く言ってくれていると思う議論だった。この感じ方は自然だなと思う自分も感情教育されたのだろうか。
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By 宣長さん トップ50レビュアー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
 宣長が〈もののあはれ〉を説く最初の源氏物語論。 
 源氏の主題を「もののあはれ」であるとする論を展開している。
「ただ人情の有りのまゝをしるして、見る人に人の情はかくのごとき物ぞといふ事をしらする也」
 宣長は奥書において本書の内容は「誰かに学んだものではなく」「自分で考えたことである」とし、本書をあくまで「習作」であるとしている。
 宣長は全生涯にわたって源氏物語に深い関心を持ち続けた。
 後に賀茂真淵との「松阪の一夜」があり、歌論「石上私淑言」を書き上げる。
 本書は、最初に源氏成立の由縁についての解説をなしたあと、本論として源氏物語の内容とその執筆意図について、源氏物語からの文を豊富に引用し、あるいは問答形式で自説を繰り返し指し示している。 上下二巻計百四十丁からなるもので、本書の大部を占める「源氏物語本意のこと」において源氏物語の主題を「もののあわれ」であるとする。
「物語は教訓の書」ではない。しいて教訓の書と言うのなら、「儒仏のいはゆる教訓にはあらで、物の哀れをしれと教ゆる教訓といふべし」と宣長は言う。
文学に教訓めいたものを求める人に源氏の真髄は分からない。
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形式:文庫
”源氏物語の54帖は、物の哀れを知るという一言につきる”、と言い切る若き宣長の源氏物語理論。
また、和歌と源氏物語の関係についても、”この物語の他に歌道はなく、この物語の他に歌道はない”、とも宣長は言い切っている。
とにかく、言い切り型が宣長の真骨頂。
宣長は、作品を読みに読み、その果てにつかみ取ったものだけを、筆にする。
だから、文章が、そのような言い切り型になってしまうのだろう。
源氏の好色さについては、それこそが人間本来の姿であり、その当たり前の姿を描いたのが、源氏物語の素晴らしさだとしている。
宣長の原文は、時々わからない言葉も出てくるが、訳がなくても十分に読みこなせる。
是非、チャレンジを。
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