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素数からゼータへ、そしてカオスへ
 
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素数からゼータへ、そしてカオスへ [単行本(ソフトカバー)]

小山 信也
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,625 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

《ゼータ関数》と《数論的量子カオス》への最新で画期的な入門書。リーマン予想も視野にとらえた、魅力あふれる世界へ読者を導く。

内容(「BOOK」データベースより)

最先端の数論を創る人々をめぐる旅。2010年フィールズ賞“量子エルゴード性”も解説。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 229ページ
  • 出版社: 日本評論社 (2010/12/7)
  • ISBN-10: 4535785538
  • ISBN-13: 978-4535785533
  • 発売日: 2010/12/7
  • 商品の寸法: 21 x 15 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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27 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
約150年前に提示されたリーマン予想は、多くの数学者の探究を跳ね除け未だ解決されていません。
数学に興味のある人なら一度は聞いたことがある予想だと思います。
しかし、この予想の本質を理解するのは専門家以外の者にとって難しいかもしれません。
その理由は、以下の点ではないでしょうか。

1.予想の主張そのものを理解するのが難しい。
(大学で学ぶ複素関数論等の知識が必要となる。)

2.予想の重要さを理解するのが難しい。
(リーマン予想は素数と密接に関係があるが、どのように関係するのか、
またリーマン予想が解決された場合、素数についてどんなことが明らかになるのか。)

この本は、これらについて専門家の立場から丁寧でかつ明確な説明を与えています。
簡単な無限級数で定義されるリーマンのゼータ関数の定義域の広げ方、リーマンよって与えられた素数の個数に関する明示式などを出来るだけ難しい言葉を用いず説明することで、リーマン予想の主張と
その重要性を簡明に述べています。

リーマン予想に関する書物は多くありますが、著者が第一線の研究者であり、予想の重要性をこれだけ明確に説明している本は他にあまり見かけません。
一般の方にも、また整数論を志す人にもお勧めの一冊です。
このレビューは参考になりましたか?
42 人中、34人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ZD
形式:単行本(ソフトカバー)
これは、本当に面白い!本当に、優れた本が出たなぁと思う。

「リーマン予想のこれまでとこれから」も、さまざまな点で実に優れた名著であると思う。
読みやすくさまざまな例もあり、何よりリーマン予想にまつわるさまざまな話や、本質的な(現時点での)捉え方が非常に明快に見通せるので、
非常に楽しく読むことができた。
この本は、前著を補完しつつ、より一般の読者を念頭においた平易で丁寧な描写を心がけてくれており、
(著者曰く、研究の動機にまつわる部分についても丁寧に解説することで、そもそもゼータがなぜ大切なのか、を万人が納得できるように解説しようとしている)、
しかも「数論的量子カオス、量子エルゴード性」という最先端の内容までを扱っているという点で、とても画期的であると思う。

まず第一部「素数はどれだけたくさんあるか」の内容は、本当に、小学生、中学生や、はたまた頭が固くなってきた大人であっても、
楽しく、十分に理解できるように、非常に噛み砕いて説明がされていて、
たとえ知っている内容であっても、再び素数の魅力、神秘に、はっと出会える内容である。
その語り口は、実に、丁寧で、平易で、感覚的な部分をとても大切にしている。

また、第二部「ゼータ入門」以降であっても、その語り口の丁寧さや、わかりやすさは変わらない。

この本では、全体的に、理論を天下り的に述べてゆくいわゆる「専門書」とは違って、数学者がそこでなぜそう考え、それに気付けたのか、や、
非常に直観的なイメージ(心象風景)、感覚、というようなものまでが、丁寧に説明がされている。それがとても斬新で、うれしい。
それによって、なぜ今後はこれを研究したいのか(これが大事なのか)、といった、現代におけるさまざまな研究の意義、研究者の心の底も、自然に見えてくる。その流れも素晴らしい。
(感覚、といっても、本当の証明は難しくてできないから感覚的に説明する、といった消極的な意味での「感覚」ではない。
なぜそうなるのか、この事実はどのように感性でとらえるべきものか、など、非常に「本質的」な意味での「感覚」である。
そして、現場の数学者の中では、まさにこういった稀有な感性こそが、研究を推し進めているのではないか、と思う。)

たとえば、一見少し不自然に見える現象に対しても、なるべく自然な説明を試みる、などにより、多くのゼータにまつわる事実が大局的な視点で、綺麗に、(感覚的にも)整理されてゆく。

二部前半では、天才ラマヌジャンが、神業的に発見したラマヌジャンのL関数、そしてラマヌジャン予想についての、なるべく明快で本質的な形での証明、説明が試みられている。
ここの語り口、視点も、実に画期的だ。

正則保型形式に含まれる保型因子がなぜ現れるのか?、や、
ラマヌジャン予想に突如として登場する指数11/2にはどういう意義があるのか(結果として、11/2という、半端な数であるということは必ずしも重要ではない。より本質的な形に直せば、ラマヌジャン予想をもっと、明快な本質的な形に直せる。)、
ラマヌジャンのL関数は正則保型形式としてでなく一般的なマース波動形式として捉えるべきであるという、現代における視点とその訳、
など、、、
(余り書いてしまうと本書の魅力の秘密がばれすぎてしまうかもしれない・・・)

次にくる「高校生のための素数定理」も圧巻!一見素人にはとても難しく見える素数の個数についての「明示公式」がとても丁寧に解説されていて、なるほど!と、とても面白く、読めた。

リーマン自身が、「素数がどれくらいあるのか」をリーマンの明示公式
「素数についての和」=「ゼータの零点についての和」
を用いて研究しているが、
その探究こそが、彼を、自然と「リーマン予想」へと導いた。
その「明示公式」を実に丁寧に、微積分や複素数を知った高校生ならば、十分にその概要を理解できるように、解き明かしてゆく。
解析接続ができるということの美しさ(自然数がすべてら並ぶ、などの、数論的美しさ、対称性)も、にせゼータではそうはいかない!ということにより感覚的にも説明されており、面白い。

正直、事実としては知っているものであっても、ここまで、その内容を、丁寧に身近に感じさせてくれる書物は他にないような気がする。
ゼータにまつわる名著は日本においては多々あり、いつも感動させられているが、
この本のもつ平易さ、丁寧さ、感覚的イメージや、研究の動機についての自然な説明を試みる姿勢は、また稀有なものだと思うし、斬新だ。
素数のもつ美しさ、自然数がすべて並び、それが素数によるオイラー積としてあらわされることの稀有な美しさ、さまざまなゼータの神秘、が、本当にきらきらと、立ち現われて、読者を魅了する。

この本は、決して数学科の学生にとどまらず、より一般の読者、「素数」や「ゼータ」の神秘や美しさを少し身近に感じてみたい・・・という読者を、十分、幅広く含んでいると思う。(もちろん、学生たちにとっては、非常によい道しるべになってくれることだと思われる。)

ただ、この本のもつ魅力はここに尽きない。
いや、一番の魅力はやはり第三部以降であろう。
第三部はいよいよ、現代最先端の内容「数論的量子カオス」へと入る。
この最先端の内容をここまで丁寧に説明してある書物を、私は、やはり他に知らない。

二部からの流れで「セルバーグ予想」が否定された事実とその意味するところの説明、から、第3部は始まる。
その際、ラプラシアンの固有値列の風景の眺め方を、「星空に星が浮かんでいる様子を、窓からブラインド越しに眺める」様子に比喩している様子も、非常にわかりやすくて、とても面白い。「数論的である」ということの類稀な美しさ、その特異性(スペクトルが存在する)が、その流れを通して見えてくる。

そして、92年にサルナックにより提唱された「数論的量子カオス」の説明へと流れ込んでゆくのだが、
ここまで本書を読んでいれば、その意義がよく理解され、現代における研究の流れの大枠を感じ取ることができる。(私のように、その内容を初めて目にする素人読者にとっても!)

スペクトルをゼータの零点とみなすことがリーマン予想の解決に直結する。だからこそも、(従来幾何学で研究されてきた)スペクトルを、数論的立場から、改めてより詳しく研究したい。
・・・その結果、数論と幾何学、量子力学、解析学が一同に出会ってたがいに刺激しあって結果が次々と生み出されてゆく様子には、
本当に、まさに現在進行形で発展してゆく現代の理論を感じ取ることができ、どきどきさせられる。

物理学、いや世界を震撼させた量子力学においては、「エネルギーなどの物理量がとびとびの値しかとらない」「量子は粒子であると同時に波である」といった意識の変革がまず着想の根幹にある。
前者は「整数」(そして素数)へ、後者はスペクトルへの類似を感じさせるので、数論と量子力学の出会いは自然で必然的なものであったのだろう、とは思う。
それでも、量子力学が、どのように数論と具体的に対応してゆくのか、についての丁寧な議論は、正直、私は初めて目にした。
マース波動形式と量子力学での確率との対応、
量子力学のある種の極限(準古典極限)として古典力学を捉えることとの数論的対応・・・。

そして、「量子論での固有関数の値(確率)分布と、古典力学におけるボールの軌跡(ビリヤード問題)とが似ているのでは!?」という予想(夢)が、数論的量子カオスの出現によって打ち砕かれる流れは、「数論」での研究が一般の量子カオスの研究に決定的な示唆を与えたという点でも非常に意義あることだと思われるし、その内容が実に面白い。
それは、(数論的状況での)連続スペクトルの量子エルゴード性(限りなく均一な分布へとなる性質)により証明されるようだ。

このあたりの具体的な証明はまだ十分に読めていないのだが、第2部のフルな応用(数論と幾何学、量子力学の主要概念が、解析的手法により一同に会する)、と本にあり、ゆっくり堪能してみたい。

・・・全体を通して、計算過程も非常に丁寧に書かれているし、証明の細部が十分に追えない部分であっても、全体のイメージ、流れ、など、直観的な説明も丁寧に試みてあるので、量子エルゴード性を含め、全体の概略をこれ一冊で十分に味わい、楽しむことができる。

決して「怖い」縁遠いイメージの専門書ではないのに、
現代の最先端の内容までが、一挙に、感覚的にも事実としても見通せる、という本当に優れた名著だ。

そして、本の最後には、現代を代表する数学者、物理学者の紹介が、著者自身の出会い、さまざまなエピソードなどを交えて生き生きと描かれており、著者を含め、現代の数論(に限らず)を推し進めている人物が身近に感じられて、とっても、素敵だ。

全体を通して、私のような非常に素人な若輩者が言うのもおこがましいのであるが、
著者の頭の良さはもちろん、感性の鋭さ、本質を見抜いて平易に見せる力、を非常に感服させられた。

・・・こんな本を読むと、だれでも、思わず、素数の、尽きない魅力、神秘にどんどんはまりこんでしまいそうだ。
ぜひ、多くの方に読んでみてほしいと願う。
このレビューは参考になりましたか?
22 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
優れた名著が出たと思う。
本書は、数々の優れたゼータ関連の解説書の中でも、より一般の人を対象に、なるべく平易で丁寧な解説、そもそもなぜこれを考えるのかといった研究の動機にまつわる部分の解説を目的の一つとしている。その結果、素人であっても、素朴な素数の神秘から、最終的には現代の最先端の内容に至るまでの流れが、一挙に、感覚としても、事実としても、明快に見通せる、という点で実に画期的だ。
第1部は、小学生から大人まで、ゆっくり楽しく理解できるように、素数についての話がされている。そこで「ゼータを研究する理由、動機」が説明され、2部へと繋がる。
(本書全体を通して)何より嬉しいのは、ただ数学的事実が並べられているのでなく、数学者達がその時点で「なぜそう考えたのか」や、より本質的には「どう捉え、視るべきか」などの、研究者の感覚にまで、突っ込んで、丁寧に、明快な説明がされているところである。(保型形式の定義や性質等で一見不自然な部分にも、素人にも明快となる理由、説明をしている。)「高校生でもわかる素数定理」(素数とゼータの零点の関係を示唆する明示公式による)からの流れも丁寧で秀逸。解析接続についても、その数論的な意義も含め、例を交えて丁寧に説明されている。
第3部では、数論的であることの類稀な美しさ、特異性(ブラインドをあけると星の帯がある)が見えてくる。ここまでくれば、数論的立場からスペクトルを研究する意義、数論的量子カオスの出現が自然に理解され、現代の研究の流れを生き生き感じることができる。その流れの中で、数論、幾何学、量子力学、解析学が一同に出会って刺激しあい研究が歩む様は実に面白い。量子エルゴード性の解説もある。
最後には、現代を代表する研究者の紹介が、著者自身の体験やエピソードを交え生き生きと描かれている。
現場の研究者の心の風景が身近に感じられる、名著だ。ぜひ、お勧めしたい。
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