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素人がいっぱい (ラブホリックの事件簿)
 
 

素人がいっぱい (ラブホリックの事件簿) [単行本]

新野 剛志
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商品の説明

内容説明

僕が店長を勤める「ラブホリック」では、店の女の子がらみ事件がちらほら。そんな時に、僕の友人のヨガを修行する宗介に事件解決を頼むのは何故? 気鋭が贈る、連作ミステリ。

内容(「BOOK」データベースより)

僕が店長を務めている渋谷のデリヘル「ラブホリック」では、このところ不可解な事件が続く。殺人事件の被害者が、なんと店の面接にやってきた?!柄の悪い男たちに追われて来店した、奇妙な客が抱える闇とは…。いっぽう僕の自宅に居候している宗介は、ヨガ修行の傍ら、渋谷近隣の店でアルバイトの日々。そんな彼が、僕の話を聞くだけで、事件を瞬く間に解決してしまう。だが「僕の頭はポンコツなんだ」と、何かに悩んでいる様子で―。現代を巧みに切り取る名手が新たに贈る、味わい深い安楽椅子探偵ミステリ連作集。

登録情報

  • 単行本: 294ページ
  • 出版社: 東京創元社 (2012/1/21)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4488024882
  • ISBN-13: 978-4488024888
  • 発売日: 2012/1/21
  • 商品の寸法: 18.8 x 13 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 579,848位 (本のベストセラーを見る)
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By suihou トップ50レビュアー
Amazonが確認した購入
探偵が安全圏にいて頭脳で事件を解く、というタイプの安楽椅子探偵ものではありません。
そこも魅力のひとつです。

語り手の「僕」勇吾はわけありで会社をやめたデリヘル店の雇われ店長、その部屋に居候しにきた学生時代の友人、宗介は二年ほどインドにヨガ修行に行き、帰ってきたばかり。しょっちゅう奇怪なヨガポーズをとり、瞑想しています。この宗介が、勇吾の事件に手を貸す、というのが大筋です。

 事件は当然ながら、勇吾の働く渋谷のデリヘル店の女の子がらみのものが多く、たとえば、雇ってもらいにきた女の子が後日、殺人事件の被害者として名前が出て、とか、客のような顔で入ってきた男が事件に巻き込まれてゆく、店の女の子の父親が北海道からどなりこんでくる、など発端は市井の小さな事件であるのですが、決してこの業界がらみの色っぽいネタを売りにするものではなく、ひじょうに細やかに謎解きが進んでゆき、広がってゆく関係者も、「僕」の目から見てですが、奥行きのある人生を背後に感じさせ、小説としてコクがあります。トリッキーではありませんが、心理の読み解きが腑に落ちるミステリです。

 どの話も、宗介が謎を解いてすっきり、という終わり方をしないことが、特徴かと思います。ヨガで鍛えた俊敏な頭脳で事件を読み解くかに見える宗介ですが、犯人を断罪する方向ではなく、自分が体を張って意外な行動をしてみせることによって、犯罪を阻止したりもします。それは、悟りすましたかに見える彼も実は、家族の事件の暗い闇を背負っているからで・・・・このあたり篠田真由美の「建築探偵」の桜井京介を彷彿とさせます。
 安全圏で推理を働かせるだけではいられない宗介と、見守る勇吾の、すこしクールな友情がいい味です。

 もうひとつの読みどころは、ここに出てくる店の女の子たちのけなげさで、彼女らが水面下で、勇吾や宗介をしっかりサポートしてくれます。
 最終話は、宗介がついに殺人者になるかもしれない、という不安に背を押されて奔走する勇吾の物語ですが、少しわりきれない解決の後味をすくうのは、彼女たちのおとなびた優しさでした。

「きれいに謎が解ければ、人生が精算されるわけではない」というハードボイルドな味をにじませつつ、異色の(安楽椅子)探偵ものとして味わい深く、また相棒どうしのふたりのバランスも、少しどきどきするものをはらんでいます。
 超人でない名探偵宗介の端正なキャラクターを活かすためにも、これはぜひともシリーズ化してもらいたいと思います。
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