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16 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
よい均衡、はいかにしたら得られるか,
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レビュー対象商品: 紛争の戦略―ゲーム理論のエッセンス (ポリティカル・サイエンス・クラシックス 4) (単行本)
ノーベル経済学賞を最近受賞したシェリングの主著。ゲーム理論を発展させ、国際政治学において「よい均衡」を模索している。 本書が書かれてから半世紀近くたってやっと邦訳が出たが、中身は今読んでも決して色あせていない。 まず、ゲーム理論が軽視していた、非ゼロサムゲームを徹底的に開拓、分析していく。 ゼロサムゲームとは、敵の敗北が、そしてそれのみが自分の勝利となるようなゲームである。 要するに潰しあいである。 これに対し、非ゼロサムゲームとは、自分と相手がともに勝利することが出来る。 このゲームでは、協力が非常に重要な位置を占める。 非ゼロサムゲームでは、いかに自分に有利な条件で相手に協力させるかがカギとなる。 そして、直感に反することだが、自分が情報や能力を欠いていることが、逆に自分の勝利を導くのだ。 例えば、自分が相手に譲歩する能力を欠いているとすれば、そして、どちらかが譲歩せざるを得ない状況だとすれば、相手はやむを得ず譲歩することとなり、私にとってよりよい条件での協力になるだろう。 そして、このような「割のいい協力」を得るために、あえて自分の選択肢を減らすのが「コミットメント」である。約束や脅しに加えて、コミットメントも重要な手段である。 自分の選択肢を先に狭めることで、相手に仕方がなく譲歩をさせる、これが非ゼロサムゲームでの勝利への道である。 ところが、相手が自分の意図を読み違えたり、非合理的な行動をとったり、誤作動を起こしたりした場合には、コミットメントは逆に自分の首を絞める。 そして、こうした間違いのおきうるゲームでは、確率が現れることとなる。 この確率の存在は、良くも悪くも働きうる。 確率による脅し(例えば、お前がもし〜しなかったら、半分の確率で〜する)は、脅しを弱め、破壊的な帰結を免れるようにも使える。 しかし一方で、お互いが武器を持って向き合い、どっちが先に撃つか、といった状況では、確率は疑心暗鬼につながり、悲劇的結末を導く。 つまり、「自分が先制攻撃をしよう、と相手が思っているから相手は先制攻撃するだろう、と私が思って先制攻撃するだろう、と相手が思っているから・・・」と不安に陥り、結果互いに先制攻撃しようとしてしまう。 この最初の「自分が先制攻撃をしよう、と思っている」の部分は、「自分が(撃ちたくないのに)誤って撃ってしまう」に置き換えても、同様の結果となってしまう。 さて、現実の国際政治では、東西の奇襲攻撃に対するにらみ合いになっている。 上述の「先制攻撃するのでは・・・」の疑心暗鬼がおきうるのだ。むしろ起きているといってもいい。 では、この状況をどう改善するか。 まず、奇襲攻撃をされても、相手に攻撃し返すだけの設備があるならば、お互いに攻撃を控えるだろう。 だから、奇襲に対する反撃システムの構築と、反撃システムを攻撃する兵器の削減・軍縮は、よい均衡へと向かわせる。 また、奇襲の感知システムの感度も重要である。 上記の事実は、単純な軍縮がむしろ逆効果であったり、軍拡が平和を生んだりすることもあるということを示している。 むろん、かといって安易な軍拡に走ることは厳しく戒めている。 ゲーム理論の初心者でも、ゲーム理論のおいしいところはしっかりとわかる。 難解な用語もあまり出てこないので、この分野に詳しくなくても読めるだろう。
13 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
素晴らしいです,
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レビュー対象商品: 紛争の戦略―ゲーム理論のエッセンス (ポリティカル・サイエンス・クラシックス 4) (単行本)
発刊されてから結構年数が経ってからの訳本です。本書はゲーム理論を駆使して、戦略紛争などを如何にして起こり、解決に向かうのかを分かり易く説明してくれています。数式なども極力無いので、数学が苦手な人も読むことが出来ます。下準備として、ゲーム理論の入門書などを読んでおいた方がより良く理解できると思います。今では経済学のみならずあらゆる分野で応用されているゲーム理論。そして、紛争や争いを考察した本書は素晴らしいです。
5つ星のうち 3.0
内容は素晴らしいが・・・,
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レビュー対象商品: 紛争の戦略―ゲーム理論のエッセンス (ポリティカル・サイエンス・クラシックス 4) (単行本)
内容は素晴らしいが訳が酷い。偏見を承知で言うが、主に訳しているのが学生で、監訳者はあまり監査せず、さらに関わった人間が文系のみということで、このような酷い訳になったと思われる。著者の意思を表現できていない、なら訳者の意思はというと、それも表現できていない。一文一文、輪読のようにメモ的に訳した感じがする。 とりあえず、監訳者だけでなく出版社も、ちゃんと監査して本を出して欲しい。(多分、訳に関係してた人が、文系と知ったか理系モドキしかいなく、仮定や設定を論理立てて語れる理系がいなかったのかな・・・) 何度も言うが、内容は素晴らしいし面白い。これを読んで、訳者たちの理系知識の乏しさや内容自体のレベルの高さに感化され、政治経済などの数理モデルを構築できる真の理系が育ってくれることを願う。
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