~著者が没した70年代以降、アートはさらに明確に「表面」へ(本書に書かれている通り、ネガティヴな意味での「表面的」ということではない)向かい、「表面」を問題とするようになった。事物への、とくに「作品」と呼ばれるものへの伝統的な態度――「奥ゆき」や意味、象徴するものを考え、理解しようとすること――からは、その定義によって抜け落ちてしまう、~~「表面」にまなざしを向けること。現代芸術に向き合う場合、この態度はひとつの重要な手がかりになると思う。
横へ横へ、斜めへ、あるいは上へ、しかし奥へではなく・・・本書では、いくつものキーワードが繰り返し記述され、結びつけられていく。
「奥へ、ではなく」、「表面」の滑走を続けながら読み進めるうちに、読者はいつの間にか現代の絵画、写真、~~立体、テクストとそれらが関わる諸問題を、穏やかに俯瞰する視点を得ていることに気づくはずだ。~