中山元氏による新しい翻訳は、それなりの批判もあるようだが、まあ、文句をつける輩は放っておけばいいって感じで、我々カントオタクでない一般読者にとっては、まず読みやすさが第一である。わかりやすさが第一である。とはいっても、訳書第2巻の本書、相当に難解であった。しかし相当の興味を持って読み通せた、読み終えることができた。ということ自体が「こりゃ、すごい」ってことになるんじゃないだろうか。
じっくり読んでいくと、「哲学者っていう商売、こりゃなかなかどころか、相当大変じゃワイ」と思わずにはいられない。「普通、ここまで考えるう?」ってことばっかり。とはいっても、これが哲学なんだな。
折りしもこの2010年の春先から放映されている「ハーヴァード白熱講義」が評判で、サンデル先生がこの中でカントの考えをあまりにもさらっと解説されているのを観ると、「なんだ、そうなのか、これでいいんだな」とも思えてしまう。いずれにせよ、今年はカントを読んでみるいい機会ではある。
さらに光文社のサイトから、中山センセお勧めの「タイトル・リスト」をダウンロードできるようになったので、読者にとってはこれまた便利このうえないサービスである。光文社でも相当力が入っているようだな。