とにかく紅のアニメに再び接することができるのは喜ばしい。
ラノベ挿絵や漫画版からの大幅キャラ変更が行われた
TVアニメ版の放映から2年、今回リリースされたのはTVアニメで好評だった日常部分と、原作ファンが一番気にするキャラデザや話や設定を漫画に寄せた、いいとこ取り(あるいは妥協)をしたアニメと言えよう。内容的には
漫画の21話に沿ったエピソードが1本、銀子や紫にフォーカスした気楽な日常話が2本であり、いずれも非常に見やすい作りとなっているので、TVアニメ版の問題のひとつはヤマト絵じゃないことだと言う人には、お薦めしてみたい。ただし松尾監督が嫌いな人にはお薦めしない。
でも、そういった一見してわかる部分や、漫画を読んでいることを前提としたキャラの立ち位置や話の流れを除けば、中身はTVアニメの雰囲気そのものと言える。
村松健氏のBGMは流用だし、監督・脚本・演出・音響監督は今回も松尾衡氏であり、EDテーマはあの「水平線の向こうに」だし、背景や作監等もTVアニメ版スタッフがそのまま担当しているから、それも当然なのかも知れない。細かいことを言えば、真九郎の使う武術は今回も崩月流(ただし見せ方は
前回と異なる)だし、銀子のいる新聞部の部室の間取り、環さんのジャージの色なんかもTVアニメと同じである。
公式の情報こそないものの、声の収録時期その他の状況証拠からプレスコ収録ではないかと推測するが、『
夜桜四重奏』同様あまりそこを強調しない作りとなっている。声優さんも概ね良い仕事をされていて、しかも
久々に富坂晶さんの声が聴けるのは嬉しかった。
オリジナル脚本には、
ドラマCDにも感じた松尾カラーが色濃く出ていると感じる。そのうちの一本「銀子のパソコン」の中で、「自分のパソコンでやりたいという拘りと、仕事を全うするという使命、どちらを取る?」とリンが問いかけるセリフがあるが、これはもしかして、仕事を全うするためには妥協も必要だとのメタな言及なのだろうか。メタな言及って確か
以前にもあった気が(笑)。
個人的にはTVアニメ版のキャラクターデザインや世界観を愛してやまないのだが、『紅』を名乗る以上、このぐらい原作に寄り添う姿勢は当然必要なのだろう。惜しむらくは切彦ちゃんの出番が少なかったことだが、PVを見る限り、次巻には出番がありそうなので、そちらに期待したい。