もう、どこからつっこんだらいいのか……。
ライトノベルで吉原モノ、というので期待して買いました。
作者は電撃文庫の短編部門賞、電撃MAGAZINE賞を受賞した若干17歳の女子高生のかただそうです。
吉原が「遊郭都市」として独立自治を敷いている、という広い意味でのファンタジー設定なので、史実の吉原とはちがいます。
それでも吉原モノ。華やかな遊女の世界を描くため、凝った文語がエンエン続いていたり、きらびやかな装飾描写にかなりの文字を割いています。しかし、どうも擬古文がセオリー通りのようで、いつかどこかで読んだような表現が多いです。そして、人物の描写になるととたんに薄い。
そして、いかんせん遊女のキャラが少なすぎ。
男祭りすぎます。
主人公の街一番の妓楼・花魁「紅」がたいへんな美人で愛嬌があって――しかし、ほかの遊女がまったく登場しないので、いったいどれだけすごいのか説得力にかけます。
吉原で天真爛漫、心の清い女の子ってそらァあんた絶対嫌われただろ、どうのし上がってきたんだい?という疑問に鮮やかに答えてくれるかと思いきや、吉原サクセスについての回想はありませんでした。
もう一つ付け加えると、濡れ場もまったくありませんので、そういうシーンを期待しているとがっかりすることでしょう。
短編で受賞した方が、どうして最初に長編小説で単行本デビューを飾るのか。ライトノベルの経営戦略の謎は深まるばかりでした。