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このライヴ盤が尾崎豊最後のライヴとして光を照てられがちなことが、まったく悪いというわけではありません。けれども、尾崎本人の意図としては、ツアーを“BIRTH”ツアーと命名したことが示すように、この1991.10.30代々木オリンピック・プール公演も、観客が聴きたがる自分が十代のときに作った楽曲よりも、アルバム『誕生』の楽曲のほうを観客に“伝道”することを目的としたツアーの最終公演でした。
ですから、もうおなじみの曲を除いて、『誕生』収録曲に絞って言うと、トラック2の「永遠の胸」では、尾崎は、一番のサビの途中で歌詞を、二番のサビの歌詞とまちがえてしまいます。このまちがいを聴くと、実は、『誕生』の歌詞が尾崎自身の頭のなかに入り込んむには、無意味に冗長すぎたのではないか、とも思えます。けれども、バンドは同じフレーズを繰り返し演奏し、尾崎は、また同じサビを最初から歌い直します。まるで、意地でも、何度やり直してでも、『誕生』ディスク1の最後を飾る「永遠の胸」のメッセージのすべてを伝えきるぞ、という尾崎の気迫が表れているかのようです。
次に、トラック4の「誕生」は、『誕生』ディスク2の最後を飾るという意味で、「永遠の胸」とともに、『誕生』を代表する楽曲です。スタジオ・テイクでは、最後に自分の息子宛てのセリフが入っていました。けれども、このライヴ・ヴァージョンでは、観客宛てのセリフに代えています。これがけっこう感動的です。
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