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紀州 木の国・根の国物語 (角川文庫)
 
 

紀州 木の国・根の国物語 (角川文庫) [文庫]

中上 健次
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

紀州、そこは、神武東征以来、敗れた者らが棲むもう一つの国家で、鬼らが跋扈する鬼州、霊気の満てる気州だ。そこに生きる人々が生の言葉で語る、""切って血の出る物語""。隠国・紀州の光と影を描く。

内容(「BOOK」データベースより)

新宮、古座、吉野―。神話と伝説、そして敗者の地、故郷・紀州。その自然の核を探り当てたい。生の人生を聞きたい。地霊と言葉を交わし、美しさのおおもとを見たい。漁業組合で、製材所で、食肉センターで、この土地に生まれ、生活する人々の声を求め、中上は歩き廻り、立ちどまり、また歩く。「差別」という物の怪は、まだこの地をさすらっているのか。鋭い視線で半島をえぐる旅を記録した、ルポルタージュの歴史的快作。

登録情報

  • 文庫: 308ページ
  • 出版社: 角川グループパブリッシング; 改版 (2009/1/24)
  • ISBN-10: 4041456118
  • ISBN-13: 978-4041456118
  • 発売日: 2009/1/24
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By itv
形式:文庫
本書は、中上健次が生まれ故郷の紀州熊野を旅しながら思索した結実である。「街道をゆく」的な土地の表層を「サワって」済ませるタイプのドキュメンタリーではなく、中上的に言えば「切れば血の出る」物語の根がそこに凝縮されている。彼自身、本書を通じてその小説世界、物語の「根」を洗う旅としており、「岬」から「地の果て 至上のとき」に至る紀州サーガへの導入として読むことができる。一連の作品を読んだ上で本書に触れると、より一層物語世界が鮮明になるはずだ。
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
差別の世界 2008/9/21
By 志村真幸 トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
 1978年に出た単行本の文庫化。ほかにも角川文庫版、小学館文庫版などがある。
 なかなか重い本であった。
 紀州半島のあちこちを旅しつつ、差別の問題へと踏み込んでいく。新宮、古座、田辺、御坊…。さらに伊勢や松阪へも。
 差別されている側へのインタビューや訪問が中心となっている。話を聞き、現場を目の当たりにし、それを文章化していく。描き出されるのは、複雑で根深い問題だ。解決の糸口すら見えない。
 もともと1977-78年に『朝日ジャーナル』に連載されたもの。いまではどうなっているのだろうか。
 ただ、本としては語りっぱなし、放りっぱなしという印象も強い。よその土地の人間には、どういうことなのかちょっと分かりにくい。
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7 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
僕は社会制度としての差別には反対する。個人としては無力なので、そうした差別には与しないことを自分にできるだけ課すことが、ささやかな抵抗である。

一方、歴史や文化としての、文学の源泉としての差別に関しては反対する、とまではいえない。事実、天皇制や差別を背景にして、生まれた文学がある。

中上のこの作品もそのひとつだ。より正確には、そうした歴史的、社会的構造を背景にして、起爆力にして、生まれた文学の、象徴的で、もっとも質の高いもののひとつが、この「紀州」だと思う。

「ルポルタージュ」と、この作品を批評家は呼ぶだろう。確かに外見はルポルタージュの態をしている。しかしその中にある精神を問うとき、ルポルタージュであるかどうかは問題ではなくなる。中上の「語り」、そう呼ぶほかにない何ものか、である。

そして、そう呼ぶことのできる作品は、数えるほどしかない。読んだほうがいいとはいいにくい。でも、だれかにこの本を読ませて、語り合いたい。
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