SFとかファンタジー、あるいは逆に大昔を舞台にした物語っていうのは、観客は見ながらその映画の世界観をつかんでいくわけですよ。これがこの映画の常識で、これは常識じゃないんだな、みたいに。で、そのつかんだ基準をもとに「これは大変だ」とか「こりゃ無理だろう」とか判断していく。その世界を20分おきにころころ変えられるんでは、見る方はストーリーを追うのが馬鹿馬鹿しくなる。
最初はマンモスとの対決が軸になる原始時代の話かと思ったらそれは案外早く終わり、馬に乗り剣を持った部族が現れる。あれ、案外進んだ部族もあるんだなと思ったら、今度はピラミッドですよ。こういう、人類史的常識を無視した荒唐無稽な話なのに、マンモスとかサーベルタイガーとかピラミッドとか、ピンポイントでリアルに描いてどうするよ。馬鹿馬鹿しさがますます鮮明になるだけでしょうが。
最初からファンタジーにすりゃよかったんじゃん。各部族も人間じゃなく、それぞれ姿形のちがう生物にして。そうすりゃ、あれも違う、これも違う、と余計な事を考えずにすむ。
こういう映画が価値を持つことがあるとすれば、CGの圧倒的迫力で見せるしかない。ところがCG場面、非常に少ない。従って、見るべき場面はほとんど無し。
この10年ぐらいの間に見た映画の中でも、もっともひどい映画の一つだ。