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紀ノ川 (新潮文庫 (あ-5-1))
 
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紀ノ川 (新潮文庫 (あ-5-1)) [文庫]

有吉 佐和子
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

「紀の川ほど美しい川は他にございませんよし」紀の国のその川にも似て美しく力強く生きる“花”。彼女に魅せられ、また反撥する人々。「家」とその中で時代の流れに生きる人々を描く。(亀井勝一郎)
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 357ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1964/06)
  • ISBN-10: 4101132011
  • ISBN-13: 978-4101132013
  • 発売日: 1964/06
  • 商品の寸法: 15 x 11 x 1.5 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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By yukkiebeer #1殿堂 トップ50レビュアー
形式:文庫
 この物語にはとりたてて大きな起伏があるわけではありません。家と女という日本の伝統の流れに身を任せる母、激しく抵抗する娘、そしてその二人を止揚したかのような新世代の孫娘。この三代の血の流れと紀ノ川の流れとが重なるかのような風景の中で、日本の女の物語が静かに編まれています。

 先行世代というものが若い世代の目にはある種の縛りをかけるとても窮屈な存在と映るでしょう。私も、先行世代が引き継いで後代に受け継がせようとする伝統のすべてを良しとはしませんが、一方で歴史の荒波にも屈することのない伝統が持つ凛とした静謐な美しさと強さのようなものが、年齢を重ねるうちにわかってきました。ちょうどこの主人公の娘・文緒が年齢を重ねるにつれて伝統に対する抵抗感をわずかながらに減じていったのに似ています。

 それは、伝統が後代を縛るための道具ではなくて、後代が静かながらも幸せに生きられるようにという先行世代の、つまりは親の、愛情のこもった智恵であるからかもしれません。そのことに文緒自身もわずかに気づく兆しがあり、それがこの小説で展開される母娘の確執の中の救いといえます。

 戦後の農地改革の中で姿を消していった伝統的な素封家の女たちの物語がこの後さらに昭和の御世の終わりから平成にかけてどのように展開されていったのか、と考えると興味は尽きません。しかし作者の早世によって四代目(孫娘である華子の娘)の物語は永遠に書かれることはありません。そのことがとても惜しまれる物語です。

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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
家の概念 2011/3/28
By 存尾
形式:文庫
第4部を作者は書くべきだという論は解説の中で桂芳久が主張していることである(そのことだけでなく、桂氏の解説にはかなり独断的なところがある)。最後で蛇が再登場する場面があるのだが、その登場の仕方からしても、この話はこれで完結していると思う。女系をたどる形であるが、やはり根本にあるのは明治以前から続いてきた日本の古い意味での「家」の概念の崩壊過程ということだろう。この「家」の概念ということでは、無茶な連想と言われるかもしれないが、横溝正史の一部作品にも通じるところがあるようにも感じられる。終わり方(最後数ページ)は、なんだか意味がよくわからなかったが。
登場人物の中では、中心となる花、それに文緒、華子だけでなく、花の祖母豊乃が強烈な存在感を示していることも忘れてはならない。ひねくれもの浩策も妙な存在で、意外に印象に残る。紀州弁の会話もなかなか味わい深かった。
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
女性の生き方 2001/10/31
By natsu
形式:文庫
明治・大正・昭和の時代を描いた作品です。三部立てになっており、母娘三代について描かれていますが、作品の中心は花という一人の女性です。文明開化から、次第に崩れていく"家"というもの、"家"の中で美しく生きていく花、女性の生き方を改めて考えるきっかけとなりました。
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