筆者は開成中学・高校6年間主席、理科3類現役合格、東大医学部卒、若くして渡米、
1流財団の研究室に勤務、と超エリート医師街道をまっしぐらに歩んでいた方でございます。
もし「例の事件」が無かったら今頃、海外有名大学の教授に納まっていた筈でございます。
しかし、今でも北海道の地から熱心に情報発信に努めておられるのは流石でございます。
先生がこの本を書く切っ掛けになったのは海外で行われた「ACCORD試験の失敗」であります。
ACCORD試験というのは、インスリンや薬剤を何剤でも使って血糖を厳しく管理した厳密管理群と、
程ほどに管理した通常群の予後を比べた大規模介入試験であります。
当然、厳密群が良い結果であろうとの仮説の元に始った試験でしたが、結果は衝撃的でした。
良いであろうと予想していた厳密群の死亡率がえかって高くて、試験は途中で中止になってしまったのです。
ACCORD試験の衝撃の結末を目にした先生は、こう言います。血糖値は少しぐらい高くても大丈夫と。
結局、血糖の下げ方が間違っていたのですな。
糖質をたんまり食べさせた上で、インスリンや薬剤をガンガン行けば、食後血糖は乱高下。
それは細胞にとって大ストレスですよ。
寿命が短縮するのも当たり前でございます。
日本でも同じような介入試験がJ-DOIT3と銘打って、門脇孝東大教授の主導のもと現在進行中です。
「我々はACCORD試験のような無茶はしないから」と自身満満ですが、果たしてどんな結果になるのやら。
しかし糖尿病人の方、大丈夫ですよ。
インスリンや薬剤でなく糖質制限で厳密に血糖管理すれば、全然違った結果になる筈ですから。
それが「真の厳密管理群」と言うもんです。
102Pで先生は「多くの人から支持を受けるであろう」と糖質制限の可能性を大いに評価しておられます。
実に素晴らしい。
糖尿病の患者さん全てに、江部先生の著作と同時に読めれることをお勧め致します。